1年はあっという間
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
みなさん、おはようございます。
いつも、こうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」
にお目を通してくださり、ありがとうございます。
今年も残すところ、あとわずかとなりました。
「光陰矢のごとし」というように、
あっという間の1年だったと感じられる方も
多いのではないでしょうか。
さて、唐突ですが、
「1年前の今日、悩んでいたこと」を覚えていらっしゃる方は
どれほどおられるでしょうか。
生老病死にかかわることなどの場合は、当然覚えておられたり、
今も同じ気持ちだという方ももちろんいらっしゃると思います。
けれど、日常のできごとの中で起こる悩みは、
おそらく1年後の今日には、覚えてもいないのではないでしょうか。
「諸行無常」というと、儚いことをイメージしやすいですが、
このように、いいこともあるのです。
職業上、グリーフ(死別等による深い哀しみ)を抱えた方と
接する機会も多く、そのような方に向けたメッセージでは
ないということは申し添えますが、
仕事や日常生活を送る中で、
なにか悩みごとが出てきた時、
頭から離れないことが出てきた時には
「諸行無常だから、この悩みも1年後には忘れているだろうな」
と思ってみることで、少しは気持ちがラクになるのではないでしょうか。
2019-12-10 08:00:00
笑顔で優しい言葉を使うこと
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
みなさん、おはようございます。
いつも、こうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」
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日々、寒くなってきましたね。
体調崩されていないでしょうか。
今日は、このブログでも何度かはお話させていただいていますが、
繰り返しお伝えしたいことでもありますので、
「和顔愛語(わげんあいご)」ということについて
また書いてみたいと思います。
このことばは、『無量寿経(むりょうじゅきょう)』
というお経に出てきます。
文字通り、和やかな顔で、愛(いつく)しみの語(ことば)を使う
ことをいいます。
日々生活をしていると、当然嫌なこともあります。
けれど、その感情のまま、人とかかわると、
どうしてもそれが相手にも伝わってしまうものです。
もちろん、四六時中、笑顔で優しい言葉を使うというのは
簡単にできることではないですが、
自分の心に余裕がある時だけでも
この和顔愛語を心がけてみてください。
そしてまた、人間とは不思議なもので、
そんなに心に余裕がない時にこそ、
もし和顔愛語ができれば、
あれ、今自分は余裕のある状態なんだ、と
「勘違い」することができます。
自分が困っている時に、人のために行動すると、
(人のために喜んで行動することを仏教では「布施」といいます。)
あれ、自分にはまだ余裕があるかも、と思えるわけです。
社会生活をしていく上で大切なことだと思います「和顔愛語」
について、今日はひとこと書かせていただきました。
2019-11-26 08:00:00
デジタル断食のススメ
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
みなさん、おはようございます。
いつも、こうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」
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またすこし更新があいてしまいました。
実はこの期間中、東京の大本山に修行に行ってまいりました。
久しぶりに頭を剃髪し、五時に起床し、精進料理をいただき、
一日に数回のお勤めと講義、そして、宗に伝わる伝法を
受けてまいりました。
日頃なまった体は悲鳴をあげることもありましたが、
人間たいしたもので、五日ほど経った頃には、
五時起きで長時間の正座をする生活にも
少しは馴染んでくるものです。
帰ってきて体重を計るとやはり2~3キロは減っておりました。
キープできるといいのですが。
また、当然その期間は、携帯電話もパソコンやテレビもないため、
東京にいながら、山にこもり修行するのと似た、別の世界を
体験することができました。
みなさんも、ぜひ修行に、というわけにもいかないと思いますが、
デジタル断食(スマホを決めた時間さわらない等)
をやってみることは、心の洗濯に効果的だと思います。
良ければやってみてください。
2019-11-05 07:42:54
うさぎとかめ
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
ありがとうございます。
今日は、以前にも書かせていただいたかもしれませんが、
仏教学者ひろさちやさんの本より、
うさぎとかめの話をさせていただきます。
うさぎとかめの話は、
日本では、うさぎが寝ている間に
コツコツとがんばってきたかめが抜かしていく、
努力の大切さが説かれる話です。
しかし、この話をインドですると、
子どもたちは
「どうしてかめはうさぎを起こしてあげないの、
ひきょうじゃないか。」
と言うというのです。
はっとさせられる話で、
人によって考え方がちがうこと、
地域によって文化がちがうこと、
そして、そこに「どちらが正しい」というのは
存在しないこと。
それを理解していないと、
必要のない争いにつながることになります。
今も世界では争いが絶えませんが、
それぞれ相手を尊重し合うことが少しでもできれば
平和への一歩になると思います。
2019-10-08 08:00:00
お彼岸
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
ありがとうございます。
早いもので、今週末20日からはお彼岸になります。
お彼岸は、春と秋の2回、春分の日と秋分の日を中日(ちゅうにち)
とし、その前後1週間をいいます。
今秋は9月20日~26日の1週間があたります。
「秋分の日」は国民の休日であり、
祝日法には「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日と
されています。
お彼岸にはお墓まいりをしてご先祖をしのぶ
のと、もう一つやっていただきたいのが、
自身の生き方、暮らし方を振り返る、省みる、ということです。
「彼岸」とは、「到彼岸(とうひがん)」の略で、
「到彼岸」とは、「パーラミター(波羅蜜、波羅蜜多)」
という言葉の訳です。
到彼岸とは、文字通り、向こうの岸に到ること、
つまり、極楽浄土に行くということをさします。
地獄ではなく、極楽浄土に行くための方法として、
お釈迦さまが説いているのが、六つのパーラミター、
つまり「六波羅蜜(ろくはらみつ)」になります。
毎度紹介していますが、振り返りがてら、
6つを紹介します。
1.布施(ふせ)
人に施(ほどこ)しを与えること
2.持戒(じかい)
決められたルールを守ること
3.精進(しょうじん)
努力を怠らないこと
4.忍辱(にんにく)
辛くても耐えしのぶこと
5.禅定(ぜんじょう)
精神を安定させて過ごすこと
6.智慧(ちえ)
ものごとを正しく判断すること
ここでは細かい説明は省きますが、
おすすめの過ごし方としては、
お彼岸の1週間で、
毎日この1つの中からどれか1つをやってみること。
7日間あるので、
1日は祖先をうやまうお墓まいり等にあて、
残りの6日間でこの6つを順番に実践してみる。
または、比較的やりやすい、
布施(人に施しをすること)を1週間心がける
でもいいと思います。
20日からはじまる「お彼岸」、
まずは法律にもありますように、祖先をうやまい、
そして、六波羅蜜を心がけることで、
自分の生き方をかえりみる1週間に
していただければ幸いです。
2019-09-17 08:00:00