すべてが新鮮だ
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
2024年 あけましておめでとうございます。
そして、北陸の地震による被害を受けた方々や
ご関係のみなさまには
心よりお見舞い申し上げます。
今年も こうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」を
よろしくお願い申し上げます。
すきま時間に読んでもらえる すこしばかり心温まる
お話が書けたらと思っておりますので
引き続きよろしくお願いいたします。
1月のことば
「悩みは去年に置いてきた なんだかすべてが新鮮だ」
年越しが終わりました。
連続した日々なのに、やはりなにか一新されたような
気分になります。
節目があることは有難いことで
色んなことに「区切り」をつけるいいきっかけになります。
もし、昨年まで悩んでいることがあったにしても
年を越した節目に、置いてきたつもりになってみましょう。
そして「新たな目で」ものごとをみてみると
きっと色んなことが、新鮮に映るのではないでしょうか。
年を越せたことはおめでたいことで、
この新鮮さを感じられることが
年を越すことができた私たちの特権だと思います。
最後に
この「なんだか すべてが 新鮮だ」ということば。
オリジナルで考えたつもりでしたが
よく読む仏教詩人 坂村真民さんの詩に
感化されていたようでした。
いつか読んだその詩が
心のどこかに残っていたんだと思います。
年を越すことは年をとることでもありますが
その素晴らしさを読んだ詩。
こちらでも紹介させていただき、締めにしたいとおもいます。
年をとることは いいことだ
とってみなければ わからない 世界が開けていく
とくに 今年は 何だかすべてが 新鮮だ
本年もよろしくお願いいたします。
2024-01-09 08:00:00
除夜の鐘
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
年の瀬で慌ただしいなか、
こうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」に
お目を通してくださり、ありがとうございます。
早いもので、もう2023年最後の
(ブログにお付き合いいただいている)火曜日になります。
大晦日には、お寺では除夜の鐘を撞(つ)き
新年を迎えます。
除夜の鐘は、108回撞きます。
わたしのところのお寺では
だいたい11時45分ごろ
(紅白も終わり「ゆく年くる年」のはじまるころです)
撞きはじめ、年を越し、0時30分ごろに
108回目の鐘を撞きおわります。
ご存知のように、108という数字は
人間の煩悩の数といわれます。
その由来は諸説あり、ここでは省きますが
煩悩には三毒煩悩といい、代表的な3つがあります。
「貪 瞋 痴(とん じん ち)」です。
「貪」とは「貪欲(とんよく)」、むさぼりの心。
すでにあるものに満足せず、キリのない
「ほしい、ほしい」という気持ちです。
「瞋」とは「瞋恚(しんに)」、怒りのことです。
怒りというのは炎にたとえられるように
場合によってはとどまることをしりません。
「痴」とは「愚痴(ぐち)」の「痴」、愚かなことです。
これは、頭の回転がわるい、知識がないといった話ではなく
間違ったことに振り回されたり
真実ではないことを思い込んだりすることです。
あなたの地域でも「除夜の鐘」が聞こえますでしょうか。
もしくは、撞く習慣がありますでしょうか。
聞こえるという方は、音を聞くとき、
また、もしよく鐘を撞くよという方は、鐘を撞くときに
自分自身の「三毒煩悩」を振り払うことを意識して
みてください。
一般的に「煩悩」といったときのイメージにちかく
いちばんわかりやすいのはやはり「貪欲」でしょうか。
あれもこれも欲する気持ちを
除夜の鐘の音で打ち消し、
「足るを知る」おだやかな気持ちで
新年を迎えていただければ
きっとよい1年のはじまりを過ごせるのではないか
とおもいます。
今年も1年間ありがとうございました。
2023-12-26 09:00:00
まずは自分を信じよう
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
12月のことば
「人とちがう それが自分 まずは自分を信じよう」
いつもこうしん堂ブログをお読みくださり
ありがとうございます。
火曜日には「お坊さんの1分説法」を公開していますので
ときどき目を通していただけると幸いです。
最近、SDGs やジェンダーレスがうたわれ
「人とのちがい」が認められる世の中に
少しずつなってきていると信じますが、
やはり「人とのちがい」に悩んだり
「同調圧力」があったり
人と同じようにできない(またはしたくない)ことが
「生きにくさ」につながってしまったりしています。
『阿弥陀経』という
極楽浄土のありさまを説いたお経に
次のような一節があります。
池中蓮華 大如車輪 青色青光 黄色黄光
赤色赤光 白色白光 微妙香潔
池の中の蓮(はす)の花は、車輪のように大きく
「青いものは青く光り 黄色いものは黄色く光り
赤いものは赤く光り 白いものは白く光る」
そのようすが(それぞれに)すばらしく美しい
という意味です。
青いものは(無理にほかの色に光ろうとせず)
青く光ればよいのです。
そのようすがそのままで美しいのです。
ちなみにお経中に出てくる「微妙」とは
「びみょう」という意味ではなく「みみょう」と読み
「すぐれた」という意味です。
日本語の「微妙」も本来はそういった意味のようです。
一度お持ちの辞典を調べてみてください。
そして、光り輝くためには
まずは自分を信じること。
お釈迦さまが入滅(にゅうめつ/亡くなることです)する時
こまった弟子たちが
「これから何を道しるべに生きていけばよいでしょうか。」
と聞いたとき
「自灯明(じとうみょう)・法灯明(ほうとうみょう)」
とおっしゃいました。
この「自灯明」とは
自らを灯(ともしび)として生きよ
という意味で
暗い道で迷ったときは「自分の考え」に従い歩きなさい
ということです。
人とちがうことに悩むことがあったら
それが自分なんだと思い
まずは自分を信じて
一歩でも前にすすんでいただければ
という思いで、書かせていただきました。
いつもお話させていただいていますが
みんなで、もっと「多様性を認め合える社会」
をつくっていければいいなと思います。
私自身も「自分を信じて」
日々の活動に精進していきたいとおもいます。
2023-12-05 15:37:00
人にやさしく 自分にやさしく
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
11月のことば
「人にやさしく 自分にやさしく」
いつもこうしん堂ブログをお読みくださり
ありがとうございます。
火曜日には「お坊さんの1分説法」を公開していますので
ときどき目を通していただけると幸いです。
「人にやさしく、自分にきびしく」
とよく言われます。
自分自身をいましめるための言葉だと思います。
が、毎日色んなことがある中で
がんばっていない人なんか
いないんじゃないかと思います。
がんばっている自分を認めてあげてもいいんじゃないでしょうか。
自分にやさしくできている人が
人にやさしく、できるのではないかと思っています。
2023-10-31 08:00:00
中秋の名月
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもこうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みくださりありがとうございます。
今週の29日は、中秋の名月です。
天気も今のところよさそうですね。
浄土宗を開かれた、法然上人が
こんな歌を残されています。
一時、高校野球で上宮高校や上宮太子高校の校歌として
日本一(か定かではありませんが)短い校歌として
有名になった、「月かげ」という歌です。
月かげの いたらぬ里は なけれども
ながむる人の 心にぞすむ
月かげ(月影)とは、月の光という意味です。
簡単に訳すと
月の光が届かない所はない
(どんな里にも届いている)けれども
その月の光は、眺める人の心にだけすみわたるものだ
ということで、
この「月の光」は、仏教の教えに例えられたり
ご先祖が見守ってくださっていることに例えられたり
自分が恵まれているということに例えられたりします。
松下幸之助は、採用面接ではかならず
「あなたは運がいいですか」と聞いたと言われます。
人生、いいこともわるいことも当然起こります。
ただ、その出来事を受けて
「運がいい」と捉えられるかどうか。
まわりの人に恵まれているんだと気づけるかどうか。
この話を聞くと、月かげの歌に通じるようにいつも
思っています。
また、ご先祖が見守ってくれているということについても
同じだと思っています。
29日は、お月さまにご先祖さまを思いうかべて
見守ってくださっていることに思いをはせてみては
いかがでしょうか。
2023-09-26 08:00:00