いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただき、ありがとうございます。
5月も中旬になり
だいぶ暖かくなってきましたね。
気候はいいですが、GWも終わり、
世間では「五月病」なんていう言葉も聞かれる時期です。
先日も、息子があまり小学校に行きたがらない
という話を聞いたところでした。
我々浄土教の僧侶が、
教育現場でよくお話する内容として、
『阿弥陀経』というお経に登場する
「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」
(しょうしきしょうこう おうしきおうこう
しゃくしきしゃっこう びゃくしきびゃっこう)
という一説があります。
理想の世界である極楽浄土では、
青いものは純粋に青く光り、
黄色いものは黄色く光り、
赤いものは赤く、白いものは白く光っている。
このことは当たり前のようで、
実はこの社会では、そうなっていないことも
多いのではないでしょうか。
たとえば、本当は黄色いのに、上司が赤といえば赤
であったり、
本当のこの子は白いのに、
世の中の風潮に合わせて
青く染まろうとしている。
なんてことが、この世には往々にしてあります。
「常識」、「社会」なんていう言葉に縛られて
思うように生きられないこともあります。
極樂世界には、そんな苦しみはないよ、
ということを説かれているのですから、
きっと、お釈迦さまの時代、
約2500年前のインドでも、
このような風潮があったのでしょう。
それでもこの世の中で生きていくために、
従う方がよいこともあるでしょう。
その時にも、いったい何を常識として
我々は動いてるんだろうか、ということは
時々立ち止まって、考えてみてもいいのかな
と思います。
これまでの慣例でやっていたけど、
実はあまり意味が無かった、なんてことも
いっぱいあったりします。
凝り固まって考えずに、
広い視野でものごとを考えることは、
最も大切なことの1つだと思います。
どうか、その息子さんも、
自分の思う色で輝ける社会であってほしいなあ
と思います。