みなさん、おはようございます。
いつも、こうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」
にお目を通してくださり、ありがとうございます。
すこし更新があいてしまい失礼しました。
また、書かせていただこうと思います。
今日は、「対機説法(たいきせっぽう)」ということについて。
仏教を開かれたお釈迦さまは
八万四千の法門(はちまんしせんのほうもん)といい、
数え切れないほどの教えを遺されました。
その中にはたとえば、
「もっとまじめに毎日しっかりと生きろ」という趣旨のものもあれば
「もっと気を抜いてゆっくり過ごしなさい」という趣旨のものもあります。
前者を聞いた人にとって仏教は「まじめに生きろ」ということだし
後者を聞いた人にとって仏教は「ゆっくり自分のペースで生きろ」
ということになります。
これは一見矛盾しているようですが、
お釈迦さまは、対機説法、つまり人を見て、その人に合った教えを
伝えられていたのです。
「機(き)」とは、性格、性質のこと。
その人の性格によって説法をされていたということです。
似た言葉として「応病与薬(おうびょうよやく)」
というものがあります。
(医者は)病気に応じて薬を与える。
下痢の方に痛み止めを出しても効果がないのは容易に想像できると思います。
お釈迦さまの教えは、応病与薬、対機説法。
たとえば少しサボり気味の人には
しっかりまじめに生きろという内容を、
また反対にがんばりすぎてしまっている人には
もっとゆったりと過ごしなさいという内容を
伝えられていたのです。
来週は、この続きとして「中道(ちゅうどう)」の話
を書きたいと思います。