おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
本当にありがとうございます。
今、実は大河ドラマの真田丸にハマっています。
元々歴史好きということもあって、
毎週末の楽しみにしているのですが、
戦国時代に名を馳せた大名というのは
後々に加えられた伝説もあるかと思いますが、
大抵、はっとさせられる名言や教訓を遺しておられますね。
その中には仏教的な考え方をされていることばもあり、
そういった意味でも興味深いものがあります。
戦国大名のことばや伝説などを
時折紹介させていただこうかと思っています。
今日は、武田信玄公のお話をひとつ。
戦国最強と言われた武田の騎馬隊が信濃に兵を進めたとき、
一羽のハトが飛んできて、陣屋の木の枝に止まったそうです。
これを見て、家臣たちは大勝利の前兆だ!と喜びました。
当時、ハトは大変縁起のいい鳥と言われていました。
しかしなんと、信玄公はハトを撃ち落としてしまいます。
「何をするんですか」と驚く家臣たちに
「大事な戦の前に、つまらぬ迷信に左右されるな。
もっと腹を据えてかかれ。」
と叱ります。
そして続けて、
「一度そのような吉兆に頼ると、次の戦でも吉兆を求める。
戦のたびにハトなどやってくるはずもなく、
次の戦で吉兆が得られないと、兵たちは不安に陥る。
結局、あれこれの吉兆に惑わされる。
だから、最初にきっぱりとハトを撃ち落としたのだ。」
と言ったそうです。
迷信というのは単なる「とらわれ」です。
それに一喜一憂しては、ものごとの本質を見失う。
戦国最強と言われた騎馬隊をつくりあげた武田信玄公には、
仏教でいう「縁起(原因があるから結果がある)」
の思想がしっかり根付いていたのだとおもいます。