いつも「管理栄養士の食事ノート」をお読みくださり、どうもありがとうございます。
今日は現代における栄養失調について、少し書きたいと思います。
少し前ですがテレビでも「栄養失調」について放送されていました。
「エンプティカロリー」って聞かれたことありますか?
時々、カロリー(エネルギー)が無い(少ない)ので太らない食べ物、と勘違いされていることもあります。
だたしくはカロリー(エネルギー)量は多いが身体に必要な栄養素があまり含まれていないことを意味します。
(上記は一般的な意味で、栄養学などではまた少し違った意味を持ちます。)
代表選手はアルコールです。
アルコールのエネルギーは分解されやすく、太りにくいから飲んでも大丈夫!という話も以前はあったようですが、もちろん摂りすぎると消費しきれず余分なエネルギーがたまりますし、おつまみも食べるので間違いなくエネルギーをしっかりと摂っていることになります。
ジャンクフードや精製された砂糖をたくさん使った食品も同じ仲間になります。
もうお気づきかと思いますが、現代の栄養失調とは、カロリー(エネルギー)量のことではなく、その他の身体に必要な栄養素不足のことになります。
(身体に必要な栄養とは・・・炭水化物・たんぱく質・脂質もそうですが、ここではビタミンやミネラルの不足が深刻と考えます。)
話は変わりますが、
昔と比べて今の野菜は栄養の量が違う・・・ってよく言われていますよね。
今の時代は昔よりも農薬や化学肥料を使って野菜を作るので、植物本来の生理機能が十分生かされずに育ち、野菜の栄養価が下がるそうです。
(有機野菜をあつかわれている生協の有機農業・微生物の専門の方が書かれた記事を参考にさせてもらいました。)
そして、食品の加工度が上がり添加物が多くなっていくとミネラルは一層少なくなります。
かといって、毎日の食事を作るときに使う野菜を無農薬や有機ばかりにするのは色々な意味で難しいし、加工食品も避けては通れないかと思います。
そしてその一方ではサプリメント市場は拡大しているそうです。
少し前までは食べるものをしっかり考えていればそんなもの必要ない!と一蹴されていたこともありますが、現代の食事情を考えると、それも選択肢の一つになるのではないかと思います。
(サプリメントや健康食品の中には粗悪なものも出回っていると聞きますので、信頼できるものを取り入れることが大切かとは思いますが。)
今の時代はエネルギーの摂りすぎ問題がクローズアップされ、食べる量やカロリー(エネルギー)を控えることをメインとした特集を多く目にします。
ですが、食べるものの質(栄養)やバランスを考えることを忘れては「栄養失調」におちいるので注意が必要です。
長くなりましたが、最後にもう一つ。
オーストラリアの牧場での話。
母親牛が子牛の世話をしないで死なせることが他発した時に、地元のカウボーイが「マンガン欠乏だ」と教えてくれて、岩塩を与えるとそれがピタっと止まったそうです。
マンガンは生殖機能の維持に関係があり、「愛情のミネラル」とも言われます。
現代の栄養失調、深刻化させてはいけないと思いました。