3月のことば
「いい日とは だれかに ありがとうと 伝えた日」
いつもこうしん堂ブログをお読みくださり
ありがとうございます。
火曜日には「お坊さんの1分説法」を公開していますので
ときどき目を通していただけると幸いです。
3月は卒業式シーズンでもあり
3月9日はサンキューの日だといいます。
「ありがとう」とはご存知のように
「有難う」と書きますが
「有る」ことが「難しい」、「有り難い」
という意味から来ています。
こちらのブログでも度々ご紹介していますが
お釈迦さまの説かれた教えのなかに
「盲亀浮木(もうきふぼく)」のたとえがあります。
この世に生き、仏教に出会えるということは
大海があり、目の見えない亀が泳いでいて
たまたま穴のあいた木が浮かんでいる
その亀がたまたま水面に浮かび上がった時に
顔がその木の穴にちょうどはまること
と同じくらい「有り難い」(=有ることが難しい、めったにない)
ことだという文脈です。
ここでは、仏教と出会えて、ということよりも
日々暮らせていることは
実は有り難いことなんだと気づくこと
日々当たり前のように顔を合わせる方が
やってくれていることも、
よくよく考えてみたら
上の、亀のたとえのように「有り難い」ことかもしれません。
私が僧侶になりたてのころ、
「お坊さんになにか聞いてみよう」という流れで
「どうしたら幸せになれますか?」
という質問を受けたことがありました。
まだ経験のなかった私には、直球な質問で
うまく答えられなかったことを覚えていますが
なにかお返事しないといけないという思いで
(内容的には)こんなことを答えました。
「1か月のあいだ、だれでもいいので
一日一回、人に『ありがとう』と伝えてみてください。
すると、ご自身のアンテナが
『ありがたい』こと、恵まれていることを
探し始めるのではないでしょうか。」
言おうとしたことがうまく伝えられたかどうかはわかりません。
また、その方に後日談を聞く機会もかないませんでした。
ただ、幸せのアンテナを育てることができると
こんなにいいことはないと、
今になってもそう思いますので
今月は、こんなひとことにさせていただきました。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。