いつもこうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただきありがとうございます。
仏さまの眼に注目されたことがあるでしょうか。
仏さま(仏像)の眼はだいたい「半眼(はんがん)」といい
大きく目を見開いた状態ではなく
半分眼を開いて半分閉じたような状態になっています。
悟りの境地を表す、ということもあるのですが、これは
「私たち(人間)は、ついわるいこともしてしまうけど
すこしくらいなら見逃してやろう」
という意味だよ、と小さいころ教えられました。
これは「ちょっとくらいわるいことをしてもいいよ」
という意味ではく、
私たちの目は外に向けられています。
外に向けられているからこそ
他人のした「わるいこと」には非常によく目が行きがちです。
あの人こんなことをしている、私だったらそうはしないのに。
またあの人あんなことをやっている、だれかとめないのかな。
よくよく振り返ってみると
自分自身や身内も同じような、似たようなことを
まったくしていないと言い切れるでしょうか。
目は外に向けてついているので、なかなか自分自身のことは
見えなかったりします。
この仏さまの「半眼」はそういったことを教えてくれています。
人のことは半分目をつぶってみるくらいでちょうどいい。
残りの半分で、自分自身の行いを振りかえってみなさい。
仏さまの眼を見たら、小さい頃教えられた
そんな教えを思い出すようにしています。