いつもこうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただきありがとうございます。
前回、「執着しないこと」が大事という話を書かせていただきました。
これは頭でわかっていてもなかなか難しいことで、
「苦しみ」から逃れるためには、
あらゆることに「執着しない」ことが必要です。
極論、「生」(生きること)にも執着しないことになります。
「死」を前にして苦しみを感じるのは、生に執着しているから。
ただし、命を粗末にするのとはちがいます。
念仏の元祖である、法然(ほうねん)上人のことばに
「いけらば念仏の功つもり しなば浄土へまいりなん
とてもかくても この身には 思いわずろう事ぞなきと思いぬれば、
死生(ししょう)ともにわずらいなし」
ということばがあります。
「死生(ししょう)ともにわずらいなし」
という理想の状態になるには
(この場合)亡くなったとしてもお浄土に行けるという確信があると
不安なく人生を送れるということだと思います。
そのためには、毎日、今、ここを、全力で悔いなく
生きなければいけません。
寿命が来たとき「生ききった」と思えるように
自分なりに一生懸命に生きることが
生への執着からすこし離れ、死への恐怖からすこしだけ
離れることのできる方法であると思っています。
すこし難しい話になってしまいましたが、
毎日を大切に過ごすことがいかに大事であるのか
考えていただくきっかけのひとつになればと
みじかいですが書かせていただきました。