いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただき、ありがとうございます。
関西人のノリの良さというのは
テレビでもよく取り上げられるほどですが、
「アホ」という言葉も、
関西では、「おもしろい」という最上のほめ言葉の一つとして、
喜ばれるフレーズになっているようです。
私は、大学時代の恩師の先生からこう教えられました。
「バカにはなるな、アホになれ。」
東京にかぶれず関西でおもしろおかしく生きろ、
ということだと最初は思っていましたが、
実は意味があって、
「バカ」とは「馬鹿」と書きます。
中国の故事で有名な話ではありますが、
鹿のことを、相手が馬だと言えば、馬だと言う人。
また、偉い人の前では子鹿のように従順で、
弱い人の前では暴れ馬のように偉そうにする、
そんな態度を「バカ」というそうです。
かえって、「アホ」とは、不器用で一つのことばかりしている
している人のことを言うようですが、
インド語の「あいうえお」で、
最初は「あ(a)」、最後は「ほ(hau)」
だそうです。
「あ」と一歩出たら「ほ」(最後)までやり抜く人、
のことを「アホ」というと。
他から見たら、一見不器用で融通の利かない人、
馬だと答えておけばいいのに鹿だと言ってしまう、
どうしようもない「アホ」な人のように見えますが、
実はそんな人が、大きな物事を最後までやり遂げる
立派な人であるのだ、
ということでした。
その意味を教えていただいてからは、
なおさら、「アホ」を重んじる関西文化が
すこし誇らしくなりました。