新年明けましておめでとうございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
ありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
みなさん、初夢は見られましたでしょうか。
素敵な夢というのは現実も明るく染めてくれるものですね。
さて、ポーランド出身の絵作家ユリ・シュルヴィッツに
「たからもの」という作品があります。
これは、東ヨーロッパのユダヤ人の間に語り継がれてきた
民話の一つで、次のような内容です。
クラクフという町に住むアイザックという男は、
ある晩夢を見る。
その夢は「都に行き、宮殿に通じる橋の下で宝物を探すように」
と告げる。はじめは夢のことだと相手にしなかったが、
同じ夢を三度も見たので、遠い都へと旅に出る。
都に着いたものの、宮殿への橋は警備がされていたので
宝物を探すことはできなかった。
毎日、橋の近くをうろうろするアイザックに
ある日警備の隊長が「なぜいつもここにいるのか」
と尋ねます。
アイザックは正直に夢の話をすると、
隊長は大笑いして
「夢の話を真に受けてこんな遠くまで来たのか」
と言いながら、今度は自分が見た夢の話をしました。
その夢は「クラクフという町に住むアイザックという男の
暖炉に隠されている宝物を探せ」というものだった。
アイザックは隊長にお礼を言い、クラクフの我が家に帰り、
暖炉の下から宝物を発見する。
アイザックは感謝の気持ちから
「いのりの家」を建て、
その壁にこう刻みつけた。
「ちかくにあるものをみつけるために
とおくまでたびをしなければならないこともある」
それからアイザックは一生こころ安らかに暮らしたという。
身近にあるにちがいない、
心やすらぐ宝物を大切にしながら
今年もよりよい一年にしていきたいですね。