食品ロスのはなし
カテゴリ : [月]管理栄養士の食事ノート
いつも「管理栄養士の食事ノート」をお読みくださり、どうもありがとうございます。
前回に引き続き、「料理を楽しく簡単に・・・」のお話を書こうと思っていたのですが、先日新聞で食品ロスの記事を読みました。
ブログを読んでくださる皆様とシェアしたいこと・知識がたくさん書かれておりましたので、こちらを先に書かせてもらおうと思います。
最近よく耳にする「SDGs」ですが、その目標12には 「作る責任 つかう責任」 があり、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させる」 と掲げられています。
では日本の食品ロスの現状はどうなっているのでしょう?
まず、日本では一年間に612万トンが廃棄されています。
これは東京都民が1年間に食べる量と同じくらいだそうです。
ほとんどが企業(飲食業界)が捨てているのでは・・・と思っていませんでしたか?
実は家庭が46%、企業が54%で、半数近くが家庭から発生しているのです。
そしてよくしてしまうことですが、賞味期限・消費期限の近いものを避けてより新しいものを買おうと棚の奥から引っ張り出してしまう・・・
そうすると手前のモノが残ってしまい、廃棄につながる・・・
事業者からでた食品ロスも、実は消費者が原因を作っていることもあるようです。
生ごみは水分が多いために、焼却に大きなエネルギーがいります。二酸化炭素も排出されるために、経済的な損失はもちろんのこと、環境にも大きな影響を与えます。
その反面、世界には約8憶人もの栄養不足の人たちがいます。
これは本当に深刻な問題です。
栄養士とは、もともと、食料・栄養が足りていない時代にどのように食べて健康を作るか、が課題であったと大学で学びました。
そして現代においては飽食の時代。何を選ぶがを考えて健康を作る時代です。
そして、最近では栄養価の低い食品を食べると低栄養状態になり、さらにたくさん食べ、肥満を作ると言われています。
以前こちらで書かせてもらったエンプティカロリーですね。
エネルギー(カロリー)を摂るのはたやすいが、ビタミン・ミネラルをとるのは難しい時代になりました。
意識的に食の質を向上させることは食べ過ぎを防ぎ、買いすぎ・廃棄を防ぐことにつながるのではないかと、個人的に思っています。
(そして健康なからだ作りにもつながります。)
食物は命です。そして育てる人、加工する人、運ぶ人、など多くの人がたくさんの時間と命を使っています。
その上に立って私たちの健康は守られています。
食品ロスはお金だけではなく、命を捨てることと心して、過不足のない社会を皆で目指さないといけないと強く感じました。
2020-09-21 07:00:00
料理を簡単に楽しく・・・2
カテゴリ : [月]管理栄養士の食事ノート
いつも「管理栄養士の食事ノート」をお読みくださり、どうもありがとうございます。
本日は、前回書かせてもらいました「料理を簡単で楽しく」のお話です。
まず、食べることは生きるために必要なことでありますが、楽しみでもあります。
食事を作る過程も、苦しみよりも楽しみに変えられたら・・・と、色々と工夫をしてきました。
レシピを見ながら、凝った料理や新しい料理にチャレンジする。
料理が好きな人は本当に楽しみがいっぱいつまっていますよね。
料理する過程もさることながら、出来上がると美味しい料理が食べられるというご褒美も♪
私のお話ですが、私はレシピを見ながらの料理は苦手です。
手順や分量をよく間違います・・・。
そして、美味しくないものが出来上がったこともたくさんあります(;^_^A
(ですので、私の作ったレシピは本当にシンプルで簡単です。すぐに覚えられるものが多いです。)
私の場合、レシピをみないで出来る料理を増やしたことで、料理のしんどさからずいぶんと解放されました。
こちらのブログでも何度か紹介させていただいた、
料理研究、土井善晴先生の「一汁一菜でよいという提案」という本を参考に、
ごはんとみそ汁、そしてもう一品、が基本スタイルとなりました。
お味噌汁は失敗があまりないです。
季節の野菜やきのこ、豆腐など大豆製品、乾物、魚、貝、肉、卵など何でも入れます。
そこで一つこだわっているのは素材です。
旬の新鮮な食材と本物のお味噌、そしてだしです。
素材を生かす、というのは和食の本質だと書かれています。
(素材を重ねて別の味を作るというのはそもそも和食の考え方ではないそうです。)
生産者の方がが手をかけて育ててくださったたものは、簡単な調理だけで美味しく食べられます。
同じ料理でも、季節のうつろいで自然と変化があらわれます。
無形文化財である「和食」。
現代、家庭での和食は実質的に失われているといわれていますが、一汁一菜というスタイルは持続可能な「和食のかたち」であると書かれています。
SNSや情報番組などを見ると、凝ったもの=愛情のように思え、振り回されてしまいますが、決してそうではないのです。
目的は元気な毎日を送るため、健康を作るベースとなること。
そしてほっとするおいしさがあること。
「良く食べることは良く生きること」
継続して安定的に良い食事をするためにはどうするべきか・・・
心身ともに自分と家族の健康を守るために、
自分オリジナルの心地いいかたちをつくりましょう!
今回は一汁一菜の紹介でしたが、また次回は全く違う角度から「簡単に楽しく」を考えたいと思います!
今回紹介させていただいた「一汁一菜でよいという提案」の最初の一文は、、、
この本は、お料理を作るのがたいへんと感じている人に読んで欲しいのです。
と書かれています。本当におススメの一冊です!
2020-09-07 00:00:00
料理を簡単に楽しく・・・
カテゴリ : [月]管理栄養士の食事ノート
いつも「管理栄養士の食事ノート」をお読みくださり、どうもありがとうございます。
突然ですが皆さんは料理が好きですか?
管理栄養士という仕事をしていて、料理が好きな人嫌いな人、様々な人に出会いました。
私は元保健センターの栄養士です。
地域のご婦人の皆様に、健康を考え、そして美味しい料理を提案する調理実習をしたり、地域の食生活活動のリーダー(食生活改善推進員)を育成する講習などを担当させてもらっていました。
当然かもしれませんが、健康の「意識高い系」で料理が好きで、出来る奥様とお会いする機会がたくさんありました。
その後、いわゆるメタボ検診の後の保健指導の仕事に従事させてもらうのですが、
そこでは、料理が好きとか嫌いとかいう以前に、興味ない、作らない、どうでもいい人にもたくさんお会いしました。
保健指導させてもらうのは男性の方が多かったので、料理の話は奥様に、ご本人には何を選ぶか、どう食べるかが中心でした。
(単身赴任の方で料理好きの方もおられましたが。)
そこからずっと気になっていたことなのですが、
老若男女問わず、色々な人が簡単においしい料理を自分で出来る世の中になればいいな、と思うようになりました。
とにかく、食べることとは生きるために大変必要な行為の一つです。
仕事を頑張りたいから、遊びに集中したいから、おざなりになる、
仕事家事に追われて、適当になる、
いろいろなお話をお聞きましたが、
何をするにも生きるベース、食べて身体を整えること無しでは考えられません。
栄養さえ摂れていたらいい、というのもまた危険です。
「栄養だけ」では心を壊します。食事は人にとって最も基本的な娯楽、楽しみであるからです。
ですが、料理は正直めんどくさい、です。外食も充実していますし、ね。
そこで、料理が嫌いな方、めんどくさい方、自信が無くてしんどい方におススメしたいお話を、こちらのブログで何回かに分けてお話していきたいなと思っています。
自称、めんどくさがりの管理栄養士が、簡単に楽しくできる自炊のお話を真剣に考えていきたいと思っています。
同志の皆さんのお役に少しでも立てたらうれしく思いますので、ご興味あるかたはまたブログをのぞいてくださると幸いです。
2020-08-24 08:00:00
しらすとチンアナゴ
カテゴリ : [月]管理栄養士の食事ノート
いつも「管理栄養士の食事ノート」をお読みくださり、どうもありがとうございます。
今年は新型コロナウイルスの影響で、学校など夏休みが少なくなりましたね。
我が家の息子も8月1日から少し遅めの夏休みに入りました。
昨日は朝食に、好物の釜揚げしらすを食べていました。
話は急に飛びますが、チンアナゴという魚をご存知でしょうか?
小さくて細くて長くてかわいらしい・・・水族館の人気者です。
息子もそのチンアナゴが大好きです。
釜揚げしらすを見て、よく「チンアナゴ」だと言っています。
確かに・・・少しだけ似てなくもないような・・・。
朝食を食べている時に、「チンアナゴ(しらす)、動かないね。」とつぶやいていました。
「死んでしまっているからね」と答えました。
「死んでるん?」と息子。
「生き物の命をもらってごはんを食べてるんやで」と話をしました。
食べ物が生きていた時の姿をしているところを見ることは大切だと、改めて思いました。
現代はどんどんその機会が失われていると思います。
(特に都市部ではその傾向が強いように感じます。現在の我が家も都市部にあります。)
栄養のバランスなどを教える前に、食べるものってどういうものなのか、もっと本質的なことをしっかりと知ってもらいたいと思いました。
大人には当たり前に知っていることも、小さな子には全て新しい知識だったりします。
出来るだけ意識しながら、食べ物の本質を伝えていけたらと覆います。
話は変わりますが、ここ数日とても暑いですね。
たくさん汗をかいた時の食事は、あえて少し塩辛いめの味付けにし、それで塩分ミネラルを補う、という話を聞かれることあるかと思います。
私の実家は建設系の現場仕事の事務所を営んでおりました。
みな炎天下で汗をたくさんかくので、自然と少し塩の強い料理が並びました。
料理には精製されていない良質の塩がおすすめです。
精製されたものはミネラル分が失われています。
現代のあらゆる食べ物は昔に比べてミネラルの含まれている量が少ないと言われています。
日ごろから精製度の低い良質の塩のご使用をおすすめします!
2020-08-10 08:00:00
レジ袋有料化からゴミのことを考える
カテゴリ : [月]管理栄養士の食事ノート
いつも「管理栄養士の食事ノート」をお読みくださり、どうもありがとうございます。
7月からスーパーやコンビニなどのレジ袋有料化が始まりました。
レジ袋の使用を減らしても、プラごみの全体量は減らないのでは?という声も聞きます。
たしかに、先日ラジオでも「レジ袋の代わりにゴミ用の袋を100均で買う」という話もされていました。
ですが、ゴミを減らす意識が高まったり、他の行動につながっていく効果はあるのかなと思います。
話は変わりますが、私の大学の恩師は、エネルギーの話がが大好きな農学博士でした。
約20年前、教授の退官パーティーの時、奥様の手作りのエコバッグを全員に配って下さり、エコの話をしてくださいました。
当時、エコの話でリサイクルがよく紹介されていたのですが、、、
リサイクルは本当のエコではなく、ゴミを減らすことが大切と言われました。
リサイクルにはエネルギーがたくさん必要だからです。
必要なものを買うときはよく考える。そして大切に使う、それがエコにつながるんだと。
今では常識のような話も、当時20代の私には十分考えさせられる出来事でした。
そのエコバッグはまだ大切に使わせてもらっています。
私の入っている生協ではビンはほとんどリユースです。
リサイクルよりもリユース(洗って再利用する)のほうが圧倒的に使うエネルギー量は少ないそうです。
しょうゆのビンを洗っていると、次の人につながっているんだなぁ、と大切に感じます。
食品を包装している袋にも再利用できるものがたくさんありますので、台所でゴミ袋として使います。
(焼きそばの袋、パンの袋、冷凍コーンの袋などなど・・・結構使える大きさのものがあります。)
ゴミを捨てるために、新たなゴミを出来るだけ生じさせないことを心がけています。
一つ一つは本当に小さいことだと思います。
小さな思いやチカラが集まって大きなことが出来ると思います。
ゴミを減らすことってとても難しいですが、これからも自分が出来ることを一つずつ実行していきたい
と思います。
2020-07-20 07:00:00