うさぎとかめ
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
ありがとうございます。
今日は、以前にも書かせていただいたかもしれませんが、
仏教学者ひろさちやさんの本より、
うさぎとかめの話をさせていただきます。
うさぎとかめの話は、
日本では、うさぎが寝ている間に
コツコツとがんばってきたかめが抜かしていく、
努力の大切さが説かれる話です。
しかし、この話をインドですると、
子どもたちは
「どうしてかめはうさぎを起こしてあげないの、
ひきょうじゃないか。」
と言うというのです。
はっとさせられる話で、
人によって考え方がちがうこと、
地域によって文化がちがうこと、
そして、そこに「どちらが正しい」というのは
存在しないこと。
それを理解していないと、
必要のない争いにつながることになります。
今も世界では争いが絶えませんが、
それぞれ相手を尊重し合うことが少しでもできれば
平和への一歩になると思います。
2019-10-08 08:00:00
お彼岸
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
ありがとうございます。
早いもので、今週末20日からはお彼岸になります。
お彼岸は、春と秋の2回、春分の日と秋分の日を中日(ちゅうにち)
とし、その前後1週間をいいます。
今秋は9月20日~26日の1週間があたります。
「秋分の日」は国民の休日であり、
祝日法には「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日と
されています。
お彼岸にはお墓まいりをしてご先祖をしのぶ
のと、もう一つやっていただきたいのが、
自身の生き方、暮らし方を振り返る、省みる、ということです。
「彼岸」とは、「到彼岸(とうひがん)」の略で、
「到彼岸」とは、「パーラミター(波羅蜜、波羅蜜多)」
という言葉の訳です。
到彼岸とは、文字通り、向こうの岸に到ること、
つまり、極楽浄土に行くということをさします。
地獄ではなく、極楽浄土に行くための方法として、
お釈迦さまが説いているのが、六つのパーラミター、
つまり「六波羅蜜(ろくはらみつ)」になります。
毎度紹介していますが、振り返りがてら、
6つを紹介します。
1.布施(ふせ)
人に施(ほどこ)しを与えること
2.持戒(じかい)
決められたルールを守ること
3.精進(しょうじん)
努力を怠らないこと
4.忍辱(にんにく)
辛くても耐えしのぶこと
5.禅定(ぜんじょう)
精神を安定させて過ごすこと
6.智慧(ちえ)
ものごとを正しく判断すること
ここでは細かい説明は省きますが、
おすすめの過ごし方としては、
お彼岸の1週間で、
毎日この1つの中からどれか1つをやってみること。
7日間あるので、
1日は祖先をうやまうお墓まいり等にあて、
残りの6日間でこの6つを順番に実践してみる。
または、比較的やりやすい、
布施(人に施しをすること)を1週間心がける
でもいいと思います。
20日からはじまる「お彼岸」、
まずは法律にもありますように、祖先をうやまい、
そして、六波羅蜜を心がけることで、
自分の生き方をかえりみる1週間に
していただければ幸いです。
2019-09-17 08:00:00
弱者に寄り添う社会
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
ありがとうございます。
今日は、ここで書かせていただくにふさわしくないかと正直思いつつ、
また完全に私見になりますが、
先日の京都アニメーション放火事件に対する
犠牲者の実名報道について、
個人の意見を少しだけ書かせていただこうかと思います。
一部の遺族が反対をしている中で、
実名報道がなされたことは本当に理解しがたく、
遺族の方がいかに苦しんでいらっしゃるかを想像することもできない
この国のマスコミの在り方に憤りを感じています。
実名報道の意義、ということについても
一部新聞には書かれていましたが、
遺族の苦しみよりも優先されるべきことではないはずです。
百歩譲ってそういう報道をするにしても、
遺族の方の悲しみは簡単に癒えるはずがなく、
時期尚早だと思います。
実名を公開されたことにより、
今後さらにマスコミに追われる遺族だって出てくるかもしれないのです。
すでに大切な人を失って、想像もできない苦しみにある遺族を
心ない取材等でさらに苦しめることになりかねないのです。
それぞれの考え方がある中で、
語弊を生むかもしれない意見を述べることにもなりかねませんが、
今回に限り、思ったことを書かせていただきました。
どうか弱者(今、困っている人)に寄り添う社会であってほしいと思います。
2019-09-03 09:06:00
グリーフケア
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
ありがとうございます。
以前にも一度書きましたが、
最近、「グリーフケア」というものを学んでいます。
「グリーフ」とは、死別や離別による深い哀しみのことです。
また、そのような深い悲しみや嘆きを抱え、
生きづらくなっている状態のことをいいます。
「グリーフケア」とは、そのような方々が
すこしでも前を向けるよう支援することです。
お坊さんという職業上、
最も知っておかなければいけないことの一つだと思い、
最近、体系的に学ぶ機会をもつようにしています。
ご縁があって、私が学ばせていただいているのが、
「日本グリーフ専門士協会」という団体です。
もちろん、お坊さん等、職業上かかわる方でなくても、
誰しもが大切な人との別れを経験するわけですから、
知っておいた方がいいと感じることがたくさんありました。
(今後私も、大事に感じたことを折に触れて紹介させていただきますが、
とり急ぎご興味のある方は「日本グリーフ専門士協会」と
検索してみてください。Webで受けられる無料の入門講座もあります。)
さて、暑さも厳しくなり、もうすぐお盆がやってきます。
お盆は、亡くなった大切な人が、年に一度
こちらの世界に帰ってくることのできる期間だとされています。
今年は微力ながらグリーフケアの視点をもちながら
お盆参りに励みたいと思っています。
2019-07-30 08:00:00
もうすぐお盆です
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
ありがとうございます。
もうすぐお盆ですので、
(関東等は七月盆ですが)
今日は「お盆」について
お話させていただこうと思います。
以前にも書かせていただいておりますが、
お盆とは、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の略です。
「盂蘭盆会」とは、
お釈迦さまの十六弟子の一人に、
目蓮(もくれん)尊者という方がいました。
目蓮は、「神通第一(じんづうだいいち)」と呼ばれ、
「神通力(じんづうりき=不思議な力)」と言い、
例えば、遠くの世界を見渡せる力などを持っておられました。
その神通力を使って、亡くなった自分の母親が
今、どの世界にいるのかと姿を探してみると、
なんと餓鬼道(がきどう)で苦しんでいたのです。
目蓮は、なんとか母親を救い出したい、と
お釈迦さまに方法をたずねます。
お釈迦さまは、
各地のお坊さんたちが雨期の3か月が明けた
7月15日に集まるから、その場で
修行を終えた僧に施しをしなさい、
とおっしゃいました。
目蓮尊者が、お釈迦さまのおっしゃる通り
修行を終えた僧たちに供養をしたのが、
お盆のはじまりであります。
インドから、中国、日本へと伝わる中で、
先祖供養の意味合いが加えられ、
今では、先祖供養が第一となっていますね。
旧暦の7月15日ということで、
関西では、主に8月13日~15日が
お盆とされています。
ご先祖さまをお迎えし、
自分自身の生き方も振り返る期間に
していただけますといいのではないかと思います。
2019-07-16 08:00:00