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夏至

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
いつもこうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」に
お目を通してくださりありがとうございます。
 
早いもので昨日、夏至も過ぎ、暑い毎日ですね。
一年で一番、日照時間が長いのが夏至。
でも、一年で一番暑い日は
おそらくその1~2か月後のことです。
 
この当たり前のことは、いつも私に
仏教の「縁起(えんぎ)」を思い起こさせます。
縁起とは「原因があって、結果がある」ということ。
すべての物事には、必ず
それを引き起こす原因があるということです。
 
日照時間が最も長い日から少し遅れて
最も暑い7月・8月がやってくるように、
原因となるものごとがあって、
その結果がおとずれるのです。
 
また、その逆で、今、手にしているもの、口にしているもの、
身に着けているもの、どれをとっても
原因となる事象が存在します。
元からここに存在していたものはありません。
 
小さな頃から、おうちで学校で
よく教えられた(と思います)、
米つぶひとつとっても、お百姓さんがいて
一生懸命田んぼを耕してくれたから、
また、天が雨を降らせてくれたから。
今の時代では、流通も考えないといけません。
運送業者さんがトラックで運んでくれたから。
また、炊飯器をメーカーさんが作ってくれたから。
またその部品を収めてくれる方がいるから。
と、挙げればきりがありません。
 
この世の中、自分一人では生きていけません。
まわりの人の支えがあってこそ生きられる。
 
この当たり前のことを
時々でもいいので
「ありがたい」と感じられることが
心の豊かさにつながるのではないかと思います。
 
私のように夏至から連想する必要はないかもしれませんが
日の長い夏の一日に、一度
縁起について思いをめぐらせていただければ幸いです。
2021-06-22 08:00:00

ひとやすみ

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
いつもこうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」をお読みくださり
ありがとうございます。

今日は、一休さんとして有名な
一休宗純の、こんな短い詩を紹介したいと思います。


「有漏路(うろじ)より

無漏路(むろじ)へ

帰る一休み

雨ふらば降れ

風ふかば吹け」


「有漏(うろ)」とは、煩悩が「漏れる」様子から
煩悩にまみれている様子、有漏路とはつまりこの世を表します。

「無漏(むろ)」とは、漏れる煩悩のない様子で、
無漏路とは、さとりの世界を表します。

人生は、この世からあの世へと向かう
ほんのひとやすみ。

雨が降っても風が吹いても、気にしない。

嫌なことがあっても、そう長くは続かない
ということだと思います。

気負いすぎず、毎日を過ごしていきましょう。

2021-06-08 08:00:00

ことばのかたち

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
みなさん、おはようございます。
 
いつも、こうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」
にお目を通してくださり、ありがとうございます。
 
すみません、少し個人的に忙しい時期で、更新があいてしまいました。
またよろしくお願いいたします。
 
今日は、私のお寺で最も大切にしていることの一つ
「和顔愛語」ということについて考えてみたいと思います。
 
「和顔愛語(わげんあいご)」とは、
和やかな表情と、心やさしいことば(を心がける)ということですが、
 
コロナ禍の今、マスク越しに相手のお顔を見ることが多くなり、
「和やかな表情」を伝えようと思えば、よっぽど笑顔でないと
伝わりにくい、という現状があります。
 
そこで、せめて「やさしい、心のこもったことば」を使うことを
大切にしたいと思います。
 
私の師僧よりの教えを記しているノートを見直していると
このような詩を発見しました。
 
今回ブログに紹介させていただくにあたり
作者さんを調べたのですが見つからず
そのままの状態で紹介するかたちになり申し訳ないのですが
もしご存知の方がいれば、教えていただきたい思いも込めて
載せさせていただくことにします。
 
「ことばのかたち」
 
うれしいとき ことばはまるい
ピンポンみたいに はずんでいる
 
かなしいとき ことばはしかくい
ヒックヒックと つかえてしまう
 
おこったとき ことばはさんかく
ブスッブスッと つきささる
 
ことばに はげまされ
ことばに いましめられ
ことばに ほろぼされる
 
かたちのない ことばだけれど
たしかにふれる こころにふれる
2021-05-18 08:00:00

結岸(けちがん)

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
いつもこうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただきありがとうございます。
 
本日は、お彼岸(も残すところあと1日となりました)
のお話をさせていただこうと思います。
 
今日(3月23日)は結岸(けちがん)といい、
お彼岸の最終日です。
 
お彼岸は、春分の日・秋分の日を中日(ちゅうにち)として
その前後1週間をさすので
今年は、3月17日~3月23日が春彼岸にあたります。
 
お彼岸の話はいつも書かせていただいていますが、
今日は、お彼岸がどうして、春分の日・秋分の日とされたか
をすこし書いてみたいともいます。
 
春分の日・秋分の日とはどんな日でしょうか。
 
昼の時間と夜の時間が同じ日。
 
そして、太陽が真東からのぼり、真西に沈む日です。
 
この真西というのがポイントで、
 
昔から、西方(春分の日・秋分の日の太陽の沈む真西)には
次の世があると信じられていました。
 
そこには「西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)」が
あり、悩み苦しみのない世界に
生まれ変われるとされているのです。
(宗派により目指すお浄土等にはちがいがあります)
 
ですので、お彼岸にお墓参り等をされ、
ご先祖に思いをはせていただく。

その時には、ぜひ沈む夕日の向こう側を見て
ご先祖のご冥福をお祈りしていただくのが
受け継がれる「お彼岸」の過ごし方である
といえるのではないかと思います。
2021-03-23 08:00:00

心の持ちよう

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
みなさん、おはようございます。
 
いつも、こうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」
にお目を通してくださり、ありがとうございます。
 
前回、『百喩経(ひゃくゆきょう)』というお経をもとに、
すこしでも状況がよくなることがあるのなら
それは「やってみる」べきだということを書きました。
 
そして、どうせ「やってみる」のなら、
心の持ちようも大事であると思います。
 
今日は、日本の整体師として有名であった
野口晴哉(のぐちはるちか)さんのことばを紹介します。
 
 
 
雪の山道を重荷を負うて登ることは苦しいが、
 
その雪の山道を楽しんで登る人もある。
 
その人々はスキーの道具を軽々と肩にしてゆく。
 
だから苦しい楽しいは心にある。
 
働かされることは辛いが、
 
働いていることは楽しい。
 
だから働かされているつもりにならないで、
 
自発的に働くことが肝腎である。
 
冷たい水でも、浴びせられれば風邪をひくが、
 
自発的に浴びれば、風邪をひかない。
 
めしでも食えなければ餓死するが、
 
食わなければ断食して丈夫になる。
 
まず自分から動くことだ。
 
自分から出発することだ。
2021-02-23 08:00:00

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