曲がりくねった松
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただき、ありがとうございます。
今日は、一休禅師(一休さん)の話を紹介します。
一休さんといえば、「はしをわたるな」という話や、
「とらをつかまえろ」という話が有名ですが、
私が、より仏教的だと思う話に、次のような話があります。
ある村に、とても曲がりくねった松がありました。
そこで、一休さんが
「だれか、この松をまっすぐに見た者に、褒美をあげよう」
と言いました。
それで、村人たちは、あちこちから松を見ます。
どこから見れば、まっすぐ見えるか。
村人たちは、大変苦労します。
「この角度だと、まっすぐに見えなくもないんじゃないか。」
「真下から見れば、曲がっているところが見えないから、
まっすぐだといえるんじゃないか。」
しかし、どこからどう見てもまっすぐには見えません。
かなり経って、一人がこう言いました。
「いや、この松は、どう見ても曲がりくねっているなあ。」
「それだ、あなたが今、この松をまっすぐに見た。
あなたに褒美をあげよう。」
と一休さんは言いました。
曲がりくねった松を、曲がりくねったままに見ることこそが、
まっすぐに見るということだったのです。
一休さんは、ものごとをありのままに見ることが、仏教の教えだ
ということを教えたかったのだと思います。
私の好きな、わかりやすい解説で定評のある
仏教学者、ひろさちや先生は著書で、
一休さんのこの話に対して、こうおっしゃっています。
ものごとをまっすぐに見るためには、
曲がったものはいけない、という先入観を捨てることが大事。
曲がった松も、曲がっていない松も、
すべてがすばらしいと考えられた時にはじめて
ものごとをありのままに見れるのです。
2018-10-30 09:12:47
1分間トレーニング
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただき、ありがとうございます。
先日から台風続きですが、大丈夫だったでしょうか。
被災されたみなさまには心よりお見舞い申し上げます。
私は京都のとある薬局で採用活動の
お手伝いをしているのですが、
新卒の方に、私が社会で必要だと思う2つのこととして
お伝えしていることがあります。
いつもこのブログでも書かせていただいていますが、
1つは「和顔愛語(わげんあいご)」ということ。
そしてもう1つは、「想像力」です。
人間には、他の動物にはない「想像力」
があったからこそ、ここまで進歩してきた。
こう言うと相手はどういう気持ちになるだろう、とか
今、きっと悲しいだろうな、とか
相手の気持ちになって考える、ということは
人間にしかできない、高等なことです。
そして、それは、これから訪れるだろうAI社会になっても
同じだと思います。
AIが取って変わることができない部分、
それは、人間の想像力だと思っています。
想像力をうまく使うことで、
みなさんの大事な人を、笑顔にすることができます。
せっかくここまで読んでいただきましたので、
よろしければあと1分間、
お付き合いしていただければと思います。
今から1分間、
みなさんの大事な人を1人思い浮かべて、
その人のために何ができるか、を考えてみてください。
(どうすればその人が笑顔になるか、でもいいです)
1分後には、すこし心があたたかくなっているのを
感じていただけるのではないかと思います。
では、できるだけリラックスして、目をつぶって、
1分間、どうぞ。
2018-10-09 07:35:11
電気がないと・・・
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただき、ありがとうございます。
先日の台風21号による被害は大丈夫だったでしょうか。
私のお寺でも停電が3日間続きました。
いつも当たり前のように使っている電気がないと
こんなにも生活しづらいのか。
身にしみて感じさせられました。
それと同じように、
私たちは普段は意識しなくても
まわりの人のおかげで生かされています。
電気がないと生活が苦しいように
まわりの方の支えがないと、おそらく電気がないこと以上に
生きていけないでしょう。
まわりの方々に感謝を伝えることは大事ですが、
今日はその方法として、よくお話させていただきますが
「無財の七施(むざいのしちせ)」
を再度、紹介させていただきます。
1.眼施(げんせ)
やさしい眼差しで人を見ること
2.和顔悦色施(わげんえつじきせ)
和やかで柔らかい顔で人に接すること
3.言辞施(ごんじせ)
人にやさしい言葉をかけること
4.身施(しんせ)
自分の身体でできることを奉仕すること
重い荷物を持ってあげる、など
5.心施(しんせ)
相手の気持ちになって心をくばること
一緒になって喜ぶまたは悲しむこと
6.床座施(しょうざせ)
席や場所を譲ること
座ってもらうこと
7.房舎施(ぼうじゃせ)
自分の家を提供すること
休息の場を提供すること
これらを自ら「喜んでさせていただく」ことができれば、
(停電が解消した時のような)
あかるい気持ちで過ごす毎日に
近づけるのではないでしょうか。
2018-09-25 08:00:00
また、会える
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただき、ありがとうございます。
今日は、少し難しい話になってしまうのですが、
「指方立相(しほうりっそう)」という言葉を
ご紹介しようと思います。
「指方立相」とは、
本当の悟りの世界は、無方無相ですが、
われわれ凡人には、それを理解して
具体的にイメージすることが難しいので、
仏教を開かれた釈尊(おしゃかさま)は、
方角(西方に極楽浄土がある)を指し示し、
浄土の相(きらびやかで素晴らしい世界)を立てて
われわれに示してくださったという意味の言葉です。
この「指方立相」と類似して、
誤解を恐れずに書けば、
死んだらどうなるかは誰にもわかりません。
だからこそ(わからないならば)、
最もいい世界(極楽浄土)を想像する
というのが一つの生き方であると思います。
北海道大学の実験で、
死後の世界があると考える人は、
ないと考える人よりも、
幸福度が高いということがわかったそうです。
もし、科学的なことしか信じないという人でも、
このデータは参考になるのではないでしょうか。
極端な書き方ですが、
どっちにしても、死んでみないとわからないのなら、
死後の世界は、すばらしい世界として存在する
と考えるのが、一番いいような気がします。
最後に、『阿弥陀経』というお経に登場する
「倶会一処(くえいっしょ)」という言葉を紹介します。
お経の中にも、
(亡くなった、あなたにとっての大事な人とは)
「一つの処(お浄土)で倶に(共に)会える」んですよ、
ということが説かれています。
少なくとも私は、そのように考え
毎日を過ごしています。
ご参考になれば幸いです。
2018-09-11 10:08:49
ペット葬
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
お盆が終わりましたが、相変わらず、暑いですね。
引き続き、熱中症には十分に気をつけてお過ごしください。
さて、最近受けている研修の中で、「ペット葬」の話題がありました。
まだ私自身は関わらせていただいたことはないのですが、
増加の傾向にあるといいます。
それは、昔とちがい、
今は、飼い主とペットとの「心の距離」が近くなっている。
たとえば、老夫婦とペットが「3人で」暮らしている。
もしくはそのどちらかが亡くなって、ペットと「2人で」
暮らしている。
毎日、会話する相手がペットのワンちゃんだけしかいない、
という場合もあります。
そのような場合で、ペットを亡くされた方というのは、
ご家族を亡くしたのに等しい悲しみを抱えてらっしゃる場合
が多いということです。
私も最初は理解が乏しかったのですが、
そう考えると、「ペット葬が流行っている」という表現は
失礼であったと思っています。
今後おそらく必要とされるものの一つではないかと考えています。
このように、本人の立場になってみないと
「わかったつもりでもわからないこと」というのはたくさん
あるように感じます。
「諸法無我(しょほうむが/すべてのものは私のものではない)」
でありますから、人の気持ちなんて、完璧にわかるはずがない、
だからこそ、「わかるはずがない」という謙虚な気持ちを念頭に置きながら
その中でできる限り、寄り添っていくということが大切であるんだなあ
と考えされた研修でした。
2018-08-28 07:18:32