いつもこうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただきありがとうございます。
この6月に、こうしん堂薬局は10周年を迎えられ
まことにおめでとうございます。
ひとくちに10年といっても
日々の積み重ねを10年間やってこられたということで
尊いことだと思います。
今日は、こちらで以前にも一度書いたかもしれませんが
「三階建て」のお話を。
(『百喩経(ひゃくゆきょう)』というお経に出てくる話を
わかりやすくすこしアレンジしています。)
あるところに、一人の大金持ちがいました。
彼が、となり町の大金持ちに招待され、家に行ってみると
なんと、そのおうちは「三階建て」でした。
当時、そのあたりでは二階建ての建物ですらめずらしく、
彼は「三階建て」の建物がほしくなりました。
これまで彼は、なんでも自分の思い通りに
事を進めることが多かったので
すぐに三階建ての建物が手に入ると思っています。
彼はさっそく大工を呼び、「三階をつくれ」と命じました。
大工は毎日やってきては朝から晩まではたらきますが
なかなかすぐにはできません。
ある日、彼はしびれを切らして
「まだか」と大工に聞きました。
すると大工は
「はい、今大急ぎで基礎をつくっているところです。」
と答えました。
彼は仕方なく我慢しましたが
一週間後、また「まだか」と聞きます。
大工は「今、1階をつくっているところです。」と答えると、
彼はこう言ったといいます。
「なに?1階などいらない。いますぐ3階をつくれ。」
という、笑い話のようなオチですが
結果だけを求めてもうまくはいかず
いい結果を得るにはやはり、日々の積み重ねが大事である
というたとえ話に、この話を選ばせていただきました。
あらためて10周年、おめでとうございます。