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知恩院

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもこうしん堂ブログをお読みくださりありがとうございます。

先月、京都の知恩院に行ってきました。

「御忌(ぎょき)法要」といい、
浄土宗を開かれた法然(ほうねん)上人の年忌法要
に参加してきました。

大きく言えば全国からお坊さんが集まり、
法然上人の遺徳(いとく)を讃えしのびます。

知恩院
↑天気もよく、改修された御影堂(みえいどう・国宝)が映えます。

御影堂に本尊としてまつられる法然上人は
当時(鎌倉時代)、貴族中心のものだった仏教を
皆が等しく救われるものへの転換をされた、
仏教の改革者と言われています。

仏塔を建てた人は救われる、多くの寄進(寄付)をすれば救われる
ということでは、一部の貴族しか報われないものでした。

法然上人はそれを
「お念仏さえすれば、どんな人でも救われる」ものへと
転換されたのです。

現在に伝わる仏教は、どの宗派であれ
一部の方のためのものではなく
一般的な、どなたにも開かれたものになっているかと思います。

うちのお寺は何宗だから、ということで大事にするのも
もちろん素敵なことで、
ご先祖さまも喜んでくれることと思いますが
この教えや考え方がしっくりくるから、おもしろそうだから
ここのお寺で話を聞いてみよう
というような気軽な接し方ができてもいいのかなと
思うこともあります。

これから個の時代がますます加速すると思います。
これからの仏教のあり方をなんとなく考えながら
知恩院にて、法然上人からの時の流れを私なりに
受け止めさせていただきました。
2023-05-02 08:00:00

尊いのは・・・

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもこうしん堂ブログをお読みくださりありがとうございます。

今日もひとつ詩を紹介できればと思います。

かなり以前にも一度こちらで載せさせていただいているかもしれません。
よくお伝えする、仏教詩人 坂村真民さんの詩の中から

尊いのは足の裏である という詩です。


「尊いのは足の裏である」

尊いのは
頭でなく

手でなく
足の裏である

一生 人に知られず
一生 きたない処と接し
黙々として
その努めを果たしてゆく

足の裏が教えるもの

しんみんよ
足の裏的な仕事をし
足の裏的な人間になれ

頭から光がでる
まだまだだめ

額から光がでる

まだまだいかん

足の裏から光がでる

そのような方こそ

本当に偉い人である


ある会社の就職試験の最終面接で
親の足を洗ったことはありますか?という質問があったそうです。

もちろん、ほとんどの人はないと答えましたが
なければ今日一度洗わせてもらってきなさい
ということで面接が終わったそうです。

その人は、面接で聞かれたもので仕方なく
こっぱずかしいけれど、仕方がないので親にお願いし
足を洗わせてもらったそうです。

想像以上にやせてしわがあり、
こんなに苦労をして私を育ててくれたのか
という思いがしたそうです。
そのことを後日伝えると入社試験で合格になったという話ですが

目立たなくても本当に人のためになることを進んでやる
ということが尊いことなんだと
改めて思い知らされた詩とお話の紹介でした。

2023-04-18 08:00:00

魚釣りの方法

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもこうしん堂ブログをお読みくださりありがとうございます。

今日はすこし記憶をたよりながら、、、になるのですが
以前教わったことのある、こんな話を。



昔、日本人が東南アジアに行っているとき
魚釣りをしている漁師さんたちに
効率的な魚の釣り方や道具の作り方を教えてあげた、という話です。

そのアジアの国の方はゆったりしていて
午前中は働いて、昼になったら休んでいます。
それも働くのは2日に1日くらいで
あとは音楽を楽しんだり友人と語り合ったりしています。

魚釣りの方法も、一本釣りのような感じで
日本人からしたら効率がよくないように見えます。

日本人は彼らに対して
もっとせっせと効率的に働くことを教えました。

けれども彼らはあまり進んでやり方を変えようとしません。

彼らが「効率をよくしてどうするんですか。」と言うので
日本人は「もっと効率よく毎日働くと稼げますよ。」と言いました。

彼らは「そんなに稼いでどうするんですか。」と言うので
日本人は「お金がたまったら早くリタイアできますよ。」と言いました。

彼らは「早くリタイアしてどうするんですか。」と言うので
日本人は「リタイアしたら、友人と語り合ったり
音楽を楽しんだりできるじゃないか。」と言いました。



という話です。

効率にとらわれるあまり
時間を有意義に使えていることが見えていなかったのですね。
2023-04-11 08:00:00

はきものをそろえる

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
いつもこうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただきありがとうございます。
 
今日は「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」ということばを
紹介したいと思います。
 
曹洞宗を開かれた道元(どうげん)禅師のことばと
言われています。
 
曹洞宗の総本山である福井県の永平寺(えいへいじ)の入口にも
「脚下照顧」と書かれているそうです。
 
 
自分の足元を照らし(自らを)顧(かえり)みる
ということで
 
私たちは人のことに目がいきがちですが
まわりの文句を言う前に
足元を照らして自分を顧みなさい
という意味もあるようです。
 
また、はきものをそろえましょう
という時にもよく引用されます。
 
はきものをそろえる、ということについては
こんな詩があり合わせて紹介させていただきます。
 
 
はきものをそろえると
心もそろう
 
心がそろうと
はきものもそろう
 
ぬぐときにそろえておくと
はくときに心がみだれない
 
だれかがみだしておいたら
だまってそろえておいてあげよう
 
そうすれば きっと
せかいじゅうの
人の心もそろうでしょう
 
 
自分の心ももちろんですが、人の心のみだれも
「そっと」なおしたり寄り添ったりできるようになりたいものだな
と感じさせられる詩だとおもいます。
2023-04-04 08:00:00

マスク つける?つけない?

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
いつもこうしん堂ブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただきありがとうございます。
 
昨日より、マスクの着用が個々の判断にゆだねられる
ことになりました。
 
「個々が決める」、当たり前のことですが
日本の社会にとっては、すこし難しいことでもあるようです。
 
 
この「マスクは自由」という政府方針を聞いたとき
真っ先に浮かんだのはどういう気持ちでしょうか。
 
「マスクを外してもよくなった、息苦しいからすぐにでも外そう」
という人もいれば
 
「まだまだ感染症が気になる、これからもマスクはつけておこう」
という人もいると思います。
 
しかし、それ以上に「まわりは一体どうするんだろう」
と、まず最初に気になった方も多いのではないでしょうか。
 
 
マスク着用する、しないは、個々の判断なので
個々が判断すればよく、それ以上でも以下でもないのですが
「同調圧力」とよく言われるように
まわりに左右されてしまうのも事実です。
 
今日お伝えしたいのは
まわりに左右されないようにしましょうという話ではなく
 
様々な事情により
マスクをつけることが苦痛になる人もいれば
一見わからなくても病気などで
マスクをつけざるを得ない人もいる。
それぞれの立場の方がいらっしゃるということ。
 
反対側の立場の方を否定するのではなく
相手が事情を抱える「背景」を想像して差し上げることが
大切かと思います。
 
 
最近、SDGsの普及やLGBTQの方への理解など
多様性を認める社会を実現しようというムードが
社会に広まってきています。
 
このマスクをつけるつけない、の問題も
そういったムードの後押しになり
つける方もつけない方も尊重した
世の中になっていくよう願っております。
2023-03-14 08:00:00

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