おはようございます。
今日はまた、お釈迦さまとその弟子の話
を書きたいとおもいます。
お釈迦さまが、一人の弟子に、
道に落ちている紙くずを拾わせて、
「その紙はいったい何を包んであったかわかるか。」
と聞きました。
「いえ、何も残っていないのでわかりません。」
「まあ、よく考えてみなさい。」
弟子は困って、においをかいでみました。
「わかりました、お香を包んでいた紙です。
大変いいかおりが残っています。」
今度は道に縄が落ちていました。
お釈迦さまは別の弟子に同じように聞きました。
「その縄は何を結んであったかわかるか。」
弟子はさきほどを真似てにおいをかいでみました。
「魚です。大変生臭いので。」
お釈迦さまは、深くうなづき、
「紙も縄も、お香に近づけばいいかおりがし、
生臭いものに近づけば生臭く、自然に染まっていく。
お香や魚の形は今はなくても、
いいかおりや臭いにおいが残って
元がどうだったか知ることができる。
すべてのものは、何かに触れれば必ず何か残っていく。
おそろしいことだ。
そして、紙も縄も、染められていくことを
それ自身は気づかないのだ。
それがもっとおそろしいことである。」
とおっしゃったそうです。
わたしたちは日々、色んな方々と共に暮らしていますが、
自分では気づかないうちに、
まわりの方々の「かおり」を受け、
また、自分自身の「かおり」を周囲にふりまいて
暮らしています。
いいかおりを残せるようになりたいものですね。