おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただき、ありがとうございます。
急に暖かくなりましたね。
昔から、暑さ寒さも彼岸まで、と申しますが、
今年はお彼岸より早く
春の暖かさを感じられるかもしれません。
今日はこんな話を紹介します。
昔、中国に、蔡君謨(さいくんぼ)という、
長い立派なあごひげをはやした大臣がおりました。
あるとき皇帝から、
おまえは毎晩、そのひげを、布団の中に入れて寝るのか、
外に出して寝るのか、と聞かれ、
すぐにはわかりませんでした。
いいかげんなことも言えないので、
「今晩帰って確かめてきます」と言い帰りました。
その夜、蔡君謨は寝ようとすると、
ひげを布団に入れると引っ張られて息苦しいし、
外に出してもスースーして違和感があります。
普段はいったいどちらだったかわからなくなり、
長いあごひげを出したり入れたりして、
結局違和感で一睡もできなかったそうです。
この話には二つ(以上あるかもしれませんが)の
教えがあり、
一つは、自分のことは自分ではなかなかわからない
ということ。
自分では気づかないうちに、
相手に不快な思いをさせてしまっていることだって
あるかもしれませんのでご注意を。
そしてもう一つは、
細かなことにこだわりすぎるな
ということです。
どちらでもいいわ、という気持ちになれば
蔡君謨も、もっと早く眠れたでしょう。
自分自身のことを改めて振り返る機会を「気軽に」
つくってみることも大切なのではないでしょうか。