私は「公益社団法人 日本栄養士会」に所属しております。
すると毎月、「日本栄養士会雑誌」という機関紙が届けられます。
10月号から「薬膳の新たな展望」という連載が始まり楽しみに読んでいます。
書かれているのは、大学の漢方薬学科の准教授や漢方専門薬局代表で中国出身の先生(医師)です。
今までは、栄養士の栄養指導と薬膳は考え方やアプローチが少し違うので、あまりこういった公式の栄養士専門誌に連載されているのを見かけたことがなく、少し驚きました。
第1回の10月号には中国医学の歴史や基礎知識をわかりやすく説明されていました。
(改めて、あまりの歴史の古さにビックリでした。。)
現代栄養学にはない、四気(感熱温涼)や五味の考え方もわかりやすく説明されていました。
第2回の11月号は49歳で妊娠・出産された事例を2例紹介されていました。
お二人とも一朝一夕ではありませんでしたが、漢方薬や治療に加え、根気強く前向きに食養生をされたそうです。
先生は。栄養学と薬膳は決して対立した概念ではなく、ただ少し考え方が違う、と言われています。
現在の栄養学では栄養素・成分というミクロの部分に焦点を合わせ、確立に基づく標準的な方法を推奨するが、
中医学ではもっと個人の違いというものを見るようにする、とあります。
また、先生は中国の医師たちに「日本の優れた食習慣が基本にあるからこそ、(日本での治療が)良い結果を残せるのではないか」と質問されたそうです。
中国の調理は炒める、揚げる等、素材の力を失わせてしまいやすいものが多いですが、
和食は煮る、焼く、蒸す等素材の力を生かした調理法が多く、
栄養素がバランスよく摂れるような献立スタイルになっています。
この食文化の上に薬膳の視点を加えていけばさらに充実した食養生を実践できるのではないか・・・と締めくくられていました。
古くて新しい食科学ですね!
和食も中国医学の食養生も、伝統的に受け継がれてきたものは、やはり本物なんだなぁと思いました。
これから、私たち栄養士が今まで欠けていた視点を補っていけば
もっと患者様・お客様の生活や人生の質を上げる食事を提案できる、
もっと個人に合ったオーダーメイドの栄養指導ができると思い、
そんな未来を想像してワクワクしました。