「食べものの個性」について、
私が思ったことをお話したいと思います。
管理栄養士として仕事をしてきて、
ヘルシー料理や疾病別料理のメニューを考えていると、
以前は、カロリー、塩分、たんぱく質、脂質、ビタミン、食物繊維などなど・・・
を考えて、頭がいっぱいになることがありました。
そんな中で、
もやもやとしながらおかしな考えにいたることがありました。
つきつめて考えていくと、
野菜が嫌いで食べたくないからビタミン剤を飲んでいる
という人の話をたまに聞きますが、
それと同じことにつながっていくのです。
「必要な数字さえ合わせれば、
そして、そこそこ美味しければいいんじゃないの?」
ということです。
もちろんこれはかなりの極論ですが・・・。
家庭科の授業で「6つの食品グループ」って習うと思います。
食品は似たような栄養素のグループに分けることが出来て、
その中からバランス良く選んで食事していく必要があります。
(小さな子どもさんの食事指導では、もう少し大きく分けて、
3つのグループに分けたりもします。)
グループ分けはわかりやすくバランスを考えることが出来て、
うまく利用するととても良いと思います。
人参が食べられなくても、ほうれん草でカロテンを補おう・・・
などなど・・・ご自分に合った食べ方を見つけることができます。
しかし、そこで忘れてはいけないのは、
食べものにはグループ分けの栄養素だけではなく
それ以上の個性が備わっていることです。
「いただきます」の時にも書かせてもらいましたが、
食べものは全て命ある生き物で、
皆その生き物のかけがえのない個性があるということ。
こうしん堂でお手伝いをする機会をいただき、
薬膳のお話を少しずつ知るうちに、
すっと腑に落ちることがありました。
一つ一つの食べものに
とてもたくさんの働きがあることを調べていくうちに、
もやもやしていた気持ちが飛んでいきました。
成分表に載っている栄養素も、もちろん大事な要素で忘れてはいけません。
しかし、それだけを見て、
食べものにはそのほかにも個性があるということを忘れてしまえば、
意識しなければ、さきほどの極論に到達する危険性があることです。
好き嫌いは別として、
全てそこにある一つ一つの食べ物に意味があることを知れば、
食べ物を大切に、愛おしく思う気持ちが生まれてきます。
個性と言えば、
旬の食べものやその土地で作られた作物が身体に合っていたりすることも
あわせて忘れてはいけませんね。
多角的に見ることができると、食べることが殺風景なものではなく、
わくわくして、とても楽しいと感じられます。
改めて、食べものと向きあうことができ、納得することができ、とても満足しました。
当たり前のことですが、再確認しつつ、
この思いを大切にして、
毎日のごはんをいただきたいと思います。