長いあごひげ
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただき、ありがとうございます。
急に暖かくなりましたね。
昔から、暑さ寒さも彼岸まで、と申しますが、
今年はお彼岸より早く
春の暖かさを感じられるかもしれません。
今日はこんな話を紹介します。
昔、中国に、蔡君謨(さいくんぼ)という、
長い立派なあごひげをはやした大臣がおりました。
あるとき皇帝から、
おまえは毎晩、そのひげを、布団の中に入れて寝るのか、
外に出して寝るのか、と聞かれ、
すぐにはわかりませんでした。
いいかげんなことも言えないので、
「今晩帰って確かめてきます」と言い帰りました。
その夜、蔡君謨は寝ようとすると、
ひげを布団に入れると引っ張られて息苦しいし、
外に出してもスースーして違和感があります。
普段はいったいどちらだったかわからなくなり、
長いあごひげを出したり入れたりして、
結局違和感で一睡もできなかったそうです。
この話には二つ(以上あるかもしれませんが)の
教えがあり、
一つは、自分のことは自分ではなかなかわからない
ということ。
自分では気づかないうちに、
相手に不快な思いをさせてしまっていることだって
あるかもしれませんのでご注意を。
そしてもう一つは、
細かなことにこだわりすぎるな
ということです。
どちらでもいいわ、という気持ちになれば
蔡君謨も、もっと早く眠れたでしょう。
自分自身のことを改めて振り返る機会を「気軽に」
つくってみることも大切なのではないでしょうか。
2018-03-06 07:00:00
寒さ厳しき折
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
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先日、私の恩師の先生に新年の挨拶に伺いました。
時々こちらにも載せさせていただいている
先生のお寺の掲示板を今回もご紹介します。
今日、明日と厳しい冷え込みが予想されています。
みなさま、お体をお大事にしてください。

2018-01-23 11:03:00
生きたい
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、みなさん「今年の目標」はもう立てられましたでしょうか。
私も今年1年、気持ち新たに、
毎日を大切にすごしていきたいとおもいます。
今日は、仏教詩人「坂村真民(さかむらしんみん)」さんの
こんな詩を紹介します。
色んな人の気持ちになって、
みなさんがお世話になっている人の気持ちになって、
味わってみてください。
「生きたい」
坂村 真民
今日も夜が明ける
もずのこえがする
すずめのこえがする
生きたい
生きたい
生きねばならぬ
まだまだしなければならない
わたしの仕事が残っている
2018-01-16 07:00:00
もったいない
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
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早いもので、もう2017年も年の瀬がすぐそこに。
今日は、よく聞く話かもしれませんが、
「もったいない」ということについて。
「もったいない」とは漢字で書くと
「勿体無い」となります。
ここで、「勿体(もったい)」とは、
「世の中すべてのものはつながって意味を成している」
という意味の仏教語です。
つまり「もったいない」とは、
そのものが、「世の中につながる存在意義をないがしろにしている、
また、活かせていないこと」を言います。
世の中のものはつながり合ってできているのに、
そのつながりをないがしろにしてしまう行為、
たとえば、まだ使えるものを捨ててしまったり、
価値のあるものを無駄にしてしまうようなこと。
それを「もったいない」というのです。
年の瀬といえば大そうじの時期です。
今、断捨離(だんしゃり)が流行っていて
そのこと自体は私も好きなのですが、
断捨離をする中にも、
「勿体無い」ことにならないように、
できる限り、有限な資源を「活かす」方法を
考えていきたいものです。
2017-12-19 07:39:45
バカとアホ
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
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関西人のノリの良さというのは
テレビでもよく取り上げられるほどですが、
「アホ」という言葉も、
関西では、「おもしろい」という最上のほめ言葉の一つとして、
喜ばれるフレーズになっているようです。
私は、大学時代の恩師の先生からこう教えられました。
「バカにはなるな、アホになれ。」
東京にかぶれず関西でおもしろおかしく生きろ、
ということだと最初は思っていましたが、
実は意味があって、
「バカ」とは「馬鹿」と書きます。
中国の故事で有名な話ではありますが、
鹿のことを、相手が馬だと言えば、馬だと言う人。
また、偉い人の前では子鹿のように従順で、
弱い人の前では暴れ馬のように偉そうにする、
そんな態度を「バカ」というそうです。
かえって、「アホ」とは、不器用で一つのことばかりしている
している人のことを言うようですが、
インド語の「あいうえお」で、
最初は「あ(a)」、最後は「ほ(hau)」
だそうです。
「あ」と一歩出たら「ほ」(最後)までやり抜く人、
のことを「アホ」というと。
他から見たら、一見不器用で融通の利かない人、
馬だと答えておけばいいのに鹿だと言ってしまう、
どうしようもない「アホ」な人のように見えますが、
実はそんな人が、大きな物事を最後までやり遂げる
立派な人であるのだ、
ということでした。
その意味を教えていただいてからは、
なおさら、「アホ」を重んじる関西文化が
すこし誇らしくなりました。
2017-11-14 10:09:22