宗教は非科学的?
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
いつも「お坊さんの1分説法」を
お読みくださりありがとうございます。
しばらく更新があいてしまい申し訳ありませんでした。
また今週からよろしくお願いします。
仏教とは、の基本にかえり、
仏教とはどんなものなのか
ひきつづき、配信していきたいとおもいます。
早速ですが、
近年、(サリン事件等をきっかけに)
宗教のイメージがわるくなり、
仏教とは「非科学的なもの」と
思われている方が多いように感じます。
仏教は、ご存知のようにインドで生まれ、
中国、韓国、日本へと伝わり、
また時代の変遷とともに
かたちを大きく変えてきてはいるのですが、
本来、仏教は完全に「科学的なもの」
であり、当時インドで主流だった
「生まれによって身分が決まる」などの
「非科学的な」教えを否定したところからはじまっています。
仏教の根本思想である「縁起(えんぎ)」は、
「縁(よ)って起こる」という意味で、
「原因」があるから「結果」がある、というものです。
科学的(ということばが正しいかどうかわかりませんが)な
「原因」がないのに「結果」が起こるはずがない
という考え方です。
日々の活動やブログを通じて
「仏教、宗教なんて、非科学的なもの、私は信じない」
という方の、誤解を解いていきたいとおもっています。
また、仏教というと「葬式」、「死」
をイメージされる方が多いと思います。
それも、仏教は決して「亡くなる時の教え」ではなく、
「いかによく生きるか」の教えです。
「仏教なんて、暗いもの、私は興味ない」
という方の、誤解も解いていきたいと考えています。
もちろん、このブログに目を通してくださる方は
もっと前向きに仏教をとらえてくださっている方が多い
のではないかと思っていますので、
楽しくなるような、前向きな話を
させていただこうと思っています。
また目を通していただけるとうれしいです。
毎日寒いですが、みなさまお体にお気をつけて
お過ごしください。
2017-02-21 08:00:00
たからもの
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
新年明けましておめでとうございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
ありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
みなさん、初夢は見られましたでしょうか。
素敵な夢というのは現実も明るく染めてくれるものですね。
さて、ポーランド出身の絵作家ユリ・シュルヴィッツに
「たからもの」という作品があります。
これは、東ヨーロッパのユダヤ人の間に語り継がれてきた
民話の一つで、次のような内容です。
クラクフという町に住むアイザックという男は、
ある晩夢を見る。
その夢は「都に行き、宮殿に通じる橋の下で宝物を探すように」
と告げる。はじめは夢のことだと相手にしなかったが、
同じ夢を三度も見たので、遠い都へと旅に出る。
都に着いたものの、宮殿への橋は警備がされていたので
宝物を探すことはできなかった。
毎日、橋の近くをうろうろするアイザックに
ある日警備の隊長が「なぜいつもここにいるのか」
と尋ねます。
アイザックは正直に夢の話をすると、
隊長は大笑いして
「夢の話を真に受けてこんな遠くまで来たのか」
と言いながら、今度は自分が見た夢の話をしました。
その夢は「クラクフという町に住むアイザックという男の
暖炉に隠されている宝物を探せ」というものだった。
アイザックは隊長にお礼を言い、クラクフの我が家に帰り、
暖炉の下から宝物を発見する。
アイザックは感謝の気持ちから
「いのりの家」を建て、
その壁にこう刻みつけた。
「ちかくにあるものをみつけるために
とおくまでたびをしなければならないこともある」
それからアイザックは一生こころ安らかに暮らしたという。
身近にあるにちがいない、
心やすらぐ宝物を大切にしながら
今年もよりよい一年にしていきたいですね。
2017-01-10 07:26:42
オンリーワン
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
本当にありがとうございます。
昨日はSMAPのおそらく最後の番組があり
ニュースになっていました。
最後に歌われていたのはやはり
「世界に一つだけの花」でしたが、
「ナンバーワンにならなくてもいい、
もともと特別なオンリーワン」
というフレーズは、
たくさんの人を勇気づけたことと思います。
『ぼくを探しに』という絵本があります。
主人公はボールのようにまるい形をした「ぼく」。
その「ぼく」には欠けている部分があり、
そのために速く転がれません。
それがおもしろくなくて、
「ぼく」は自分のかけらを探しに旅に出ます。
完全なまるい形になれば幸せになれると思ったからです。
あまり速く転がれないおかげで、
蝶がとまりに来てくれたり、
ミミズと話をすることができて、
だいじな「ぼく」のかけらを探す旅なのに
鼻歌が出てきます。
ある日、とうとう「ぼく」にぴったりなかけらが見つかり、
「ぼく」は喜んで転がり出すのですが、
今度はあまりに速く転がりすぎて、
小さなミミズとも話せなくなり、
花のいい香りもわからなくなり、
蝶もとまりに来てくれなくなってしまいます。
そこで「ぼく」はせっかく見つけた自分のかけらを手放し、
「なるほど、そういうことだったのか」
とつぶやきます。
なにかとナンバーワンを目指すことのおおい人間社会ですが、
もともと、オンリーワンであることを忘れないで
日々をしっかりと歩んでいきたいものです。
2016-12-27 07:23:00
ひどく寒い日
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
本当にありがとうございます。
明日は冬至です。
いよいよ寒さが本格化してきました。
最近、日本人が「寒い」と感じる温度が
年々高くなってきているそうです。
エアコン等の普及により
快適な住環境が整ってきているため
それに慣れてしまっているからだと言われます。
暖かさを感じにくくなっているということですが、
せめて、心の暖かさというものは
敏感に感じとっていきたいですね。
河野進さんという和歌山県出身の詩人が、
外国での出来事を紹介した詩を紹介します。
しきりに雪がふる 冷えきった夕暮れ
有名な説教家 フィリップ・ブルックスが
街角でぼろ服をまとい ふるえながら
新聞を売っている少年の前に立ちどまり
夕刊を買って 少年に声をかけた
今日はひどく寒いね
少年は明るい声で元気よく答えた
ええ寒かったです あなたが来られるまでは
2016-12-20 08:00:00
師走
カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
こんばんは。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」を読んでいただき
本当にありがとうございます。
もう年の瀬ですね。
仕事もプライベートも忙しいこの頃ですが、
いかがお過ごしでしょうか。
このブログを見ていただいていく時間が
つかの間のひと休みになれば幸いです。
何ごとも時間に追われがちで
慌ただしく忙しい年末ですが、
「慌ただしい」とは、「心(りっしんべん)が荒れる」
と書きます。
そして、「忙しい」とは、「心を亡くす」と書きます。
心を荒らすことなく、なくすことなく、
時間のないこの時期だからこそ
急がば回れ、で
一度立ち止まり、自分を振り返り、
進むべき方向を見定めて
行動することも大切だなあとおもいます。
2016-12-13 17:54:00