いつもブログ「お坊さんの1分説法」を
お読みいただき、ありがとうございます。
今日は、『法句経』(ほっくきょう)というお経の
一節を紹介しようと思います。
『法句経』第三章(心について書かれた章)には、
次のようなことが書かれています。
「心は、捉え難く、軽々とざわめき、
欲するがままにおもむく。
その心をおさめることは善いことである。
心をおさめたならば、安楽をもたらす。」
心は、自分自身の心ですら、
その実態を捉えることが難しく、
思うままに動いてしまうし、
コントロールをするのが難しい
ということを説いています。
われわれは心のおもむくままに行動してしまいがちです。
自動的に反応してしまうこともよくあります。
「売り言葉に買い言葉」というように
とっさに言葉が出てしまい、
後で、まずいことを言った、
などと反省することもよくあることだと思います。
お釈迦さまは、この心というものをおさめれば安楽に近づく、
つまり心を制御する、コントロールすることができれば
さとりに近づく、心安らかに暮らせますよ、
と説法されているのです。
これは言葉では言っても実際に行うのは難しいことですが、
方法としては、
(何か起きた時)すぐに反応するのではなく、一旦停止を心がける
また、一呼吸おいてから言葉を発したり、行動する
といったことがあるのではないかと思います。
自分自身の心をおさめること、大変難しいことかもしれませんが、
時々意識してみると、
さとりに近づけるかもしれませんね。