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花まつり

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
 
昨日は、旧暦の4月8日、お釈迦さまの誕生日でした。
 
思えば、このブログに参加させて頂いたのは、
昨年のお釈迦さまのお誕生日のことでした。
もう1年になるのだなあと思いました。
いつもお読み頂いて本当にありがとうございます。
 
いつも予定を考えずに書いてしまって申し訳ないのですが、
前回、「戒」について次回、と最後おわりましたが
今日は「花まつり」の紹介にさせて頂こうと思います。
 
お釈迦さまの誕生日を、「灌仏会(かんぶつえ)」といいます。
または、「花まつり」ともいいます。
 



――このようにお釈迦さまをおまつりします。

 
仏教の開祖であるお釈迦さまは、
今から約2500年前の4月8日、
釈迦族という民族の王子として産まれました。
 
多くのお寺では、春の花で飾られた「花御堂(はなみどう)」が設けられ、
その中に「誕生仏(お釈迦さまがお生まれになった時の姿)」が安置されます。
参詣する人は、その誕生仏に甘茶をそそぎ、お釈迦さまの誕生をお祝いします。
この、甘茶をそそぐ作法は、
「お釈迦さまが産まれる時、天から清らかな甘い雨が降りそそいだ」
という伝説に由来するものです。
また、花御堂は、お釈迦さまがお生まれになった、ルンビニーという花園を
あらわしています。
 
どうぞ、お釈迦さまが教えてくださった
いのちの尊さや、この世界で生かされていることのありがたさを
今一度見つめなおして頂ければ、と思います。

2015-05-26 08:00:00

「戒」とは

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。

前回、すこし三学(戒・定・慧)の話をかきましたが、
今日はそのうちの「戒」について書きたいと思います。
「戒」と聞くと、「法律」のようなイメージを持っていらっしゃる方が多いと思います。

「戒」とは実は、お坊さんが守らなければいけないルールのことではありません。
「戒律(かいりつ)」という言葉を聞いたことがある方はいらっしゃるかもしれませんが、
「戒律」とは、「戒」と「律」のことで、
「お坊さん(僧侶の集団)のルール」のことを、「律」といいます。
では、「戒」とは何か、という話になるのですが、

「戒」は、原語は、シーラ「Sila」といいます。
シーラを訳すと、「習慣」という意味です。
「戒」を簡単に言えば、仏教徒がもつべき習慣のことです。

毎日の歯ブラシと同じです。
「その状態が当たり前」に持っていくこと。
なので、極端に言ってしまえば、例外があっても大丈夫なのです。

そして、それはお釈迦さまが選んでくださった、
煩悩を持ち、苦しまないために、
しない方がよいという習慣です。

それをしない方が、苦しまずに済む、習慣です。
たとえば、「不妄語(ふもうご)」戒というのがあります。
「嘘をついてはいけない」という戒です。

嘘をついてはいけません。
そのように過ごしている人が、
ごくまれに嘘をついてしまったとします。
すると、その人の中では、すごく「申し訳ない」気持ちが生まれます。
それも仏教では重要なことと考えます。

毎日歯をみがいている人が磨かなかった時に気持ちわるい漢字がするのと一緒です。
そう感じたとしたら、その人にはもう、
嘘をつかないという習慣が出来上がっているというわけです。

「習慣が人を作る」という言葉がありますが、
まさしくその考え方だと思います。

「戒」とは、破ったらそれで終わりのルールではなく、
守れなかったら反省し、まだまだだな、しっかりやり直そう
と思うことができます。
「他力本願」のところでも書きました
「慢心をもたない」ことにもつながります。

よりよく生きるための習慣、それが「戒」です。

もちろん、お坊さんだけのためにあるのではありません。
そういった気持ちで、みなさんも戒にチャレンジしてみませんか。

次回は、「戒」にはどんなものがあるのか、解説してみたいとおもいます。

2015-05-19 08:00:00

他力本願2

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
先週からの続きで、他力本願の話を書きたいと思います。
 
まずは、先週途中でした、三学(さんがく)について紹介します。
仏教徒が修めるべきものとして、
戒(かい)・定(じょう)・慧(え)の「三学」というものがあります。
 
戒とは、いましめ。決められたルールを守ること。
定とは、精神集中。
慧とは、真理を悟る知恵のこと。
 
当時、比叡山にて、最もすぐれていると言われていた法然上人は、
「私は、このうちの1つもまともにできない」とおっしゃいました。
 
仮にも、比叡山で毎日修行をしている私でも
三学のうちの1つもまともにできないのだから、
 
日々生活、仕事に追われている人たちに
三学を実践しなさい、と言っても難しいのではないか。
 
そう思われた法然上人は、
誰もが救われる方法を探し始めました。
 
そこで最終的に発見されたのが、お念仏。
自力で悟るのではなく、
仏さまのお力によって、悟りに至ろうという考え方です。
 
自力ではなく、他力。
それは、自分の力を過信することなく、
仏さま(法然上人の浄土宗の場合は阿弥陀仏)
にすべてをお任せするということ。
 
つまり、誰でも。
体が弱くても、意志が弱くても、
子どもでも、老人でも、
悟りに至れるのだ、ということをお示しになったのです。
 
反対に、
「私には生きている価値がない」
というのも、自力による考え方です。
他力(仏さまの力)は、
私たちの能力など問題にしません。
 
他力本願、他力を頼むのですから、
私たちがすぐれている・劣っている
という考えがそもそも不要だということになります。
 
私たち人間は、仏さま
(宗教に抵抗がある方は「自然」や「大自然」
と言い換えてもいいと思います)には、かなわない。
人間どうしの能力の差なんて微々たるものですから、
慢心を持ったり、必要以上に自分をさげすんではいけません。
 
それが他力本願の考え方だと思っています。
 
2015-05-12 08:00:00

他力本願1

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
こんばんは!
今日はGW日和でしたね、みなさんお出かけされましたでしょうか。
行事で更新が遅くなってしまいましたが、先週のさいごに書きかけていました、
他力本願の話を、今回から書いていきたいと思います。

仏教の中でも、特に浄土教(浄土宗や浄土真宗など)の中では、
自分の愚かさを知りなさい
という教えがあります。

日本で、はじめて仏教を民衆に広めた、浄土宗の祖、法然上人は、
当時、仏教を学んでいた僧が集まる比叡山の中で、一番優秀だと言われていました。
にもかかわらず、「私は三学(さんがく/仏教で学ぶべき3つの要素とされています。詳しくは次回書きます。)の器ではない」とおっしゃいました。
自分の力で悟りに至ることを否定されたのです。

その代わりにどうするかと言いますと、仏さまにお任せする、という考え方です。

他力本願とは、自分はなまけて人に頼ることではなく、
自分の能力には限界があることを知り、慢心をもたないことです。
つづきは、また次週にさせていただきます。

では、よいGW最終日を!
2015-05-05 21:18:43

鈍刀

カテゴリ : [火]お坊さんの1分説法
おはようございます。
 
今日は、以前にも紹介しました、
仏教詩人である
坂村真民さんの詩を
もう1つ紹介したいと思います。
 
 
 
鈍刀をいくら磨いても


無駄なことだというが、
 
何もそんなことばに


耳を借す必要はない。
 
せっせと磨くのだ。


刀は光らないかもしれないが、


磨く本人が変わってくる。
 
つまり刀が


すまぬすまぬと言いながら、
 
磨く本人を


光るものにしてくれるのだ。
 
 
 
仏教の教え、特に浄土教のなかには、
「いかに自分が凡人であるかを知る」
というものがあります。
 
慢心を持たず、自己を見つめることが大切です。
 
「他力本願」ということばも、
そういうところからきています。
 
そのことについては、また来週に!
2015-04-28 08:00:00

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