おはようございます。
いつもお読みいただいてありがとうございます。
先週、人生は苦だ、ということを書きました。
では、そうなってしまうのは何故か、
ということです。
その原因の一つが、人間は、執着(しゅうちゃく)してしまう
ということだと、お釈迦さまは教えています。
煩悩のひとつに、貪(とん)というものがあります。
サンスクリット語で、トリシュナーといい、
訳すと、執着することです。
あるところに、農家の人がいました。
道端に、乾いた牛糞がたくさん落ちているのを見つけて、
「これはいいものがあったぞ、いい肥料になるだろう」と思い、
山のように糞をかき集めて、重いのを我慢して、家に向かっていきました。
ところが途中で大雨が降ってきて、
背中に背負っていた山のような糞は、雨水のために溶けて流れ出してしまいました。
臭い糞の汁は、彼の全身に流れ、ひどい臭いと汚さでしたが、
彼はせっかくここまで運んできたのだと思うと、
どうしても捨てられず、彼はベトベトの糞を担いだまま歩き続けました。
家についた頃には、牛糞は跡形もなく、
彼はひどく汚れているだけでした。
人は、一度何かを始め、それが快感であると、
それが自分にとって意味のないことや、悪いことだとわかったとしても、
なかなかやめられないものです。
人生の苦を軽くする方法の一つは、
この「執着」から離れることだと教えられています。
なかなか簡単にできることではありませんが、
自分が今そうなっていないか振り返ってみるだけでも大切なことだとおもいます。
時々、思い返してみてください。