おはようございます。
先週のセミナーでもお話しましたが、
仏教の教えは一見、様々です。
それは、お釈迦さまが「対機説法(たいきせっぽう)」をしたから。
対機説法とは、人それぞれに応じた話し方、説法の仕方をすることです。
だから、ある人にはああ言っても、ちがう人にはこう言う、
ということがあります。
ある弟子には、ずっと掃除をしておくように言ったり、
ある弟子には、町を歩いていてどんな仕打ちを受けても、
手を合わせて相手に頭を下げるように言ったり、
それはそれは莫大な教えを説かれました。
仏教、お釈迦さまの教えが、
「八万四千の法門(はちまんしせんのほうもん)」と
呼ばれる所以(ゆえん)です。
仏教の教えは、ちまたにあふれています。
今は、本やインターネットによってでも
すぐに知ることができます。
しかし、そこで大事なのは、実行すること。
やってみることです。
今の自分に必要そうだな、と思ったことがあれば、
小さなことでもいいので、やってみてください。
仏教のすべてを理解するのはとても難しいことです。
私も到底できませんし、
すべてを理解してからやろうとしても手遅れかもしれません。
これも、実際にお釈迦さまがされた説法にある話ですが、
人が毒矢に撃たれたとします。
まわりにいた人が、急いで医者を呼び、毒矢を抜いて、
毒の手当てをしようとします。
ところがその人が、
「矢を抜く前に、だれが毒矢で私を撃ったのか知りたい。
私の知り合いか、知らない者か、違う者を撃とうとして間違ったのか。
また、矢はどこから飛んできたのか。
矢は何でできているのか。
それらがわかってから、矢を抜いてくれ。」
と言ったらどうでしょうか。
言うまでもなく、それらがすべてわかる前に
毒が全身にまわり、その人は死んでしまうでしょう。
仏教のことや、世の中の真理がわかってから
実践しようとするのは、実はこのことと一緒で、
すべてを知ることよりも先に、すべきことがある、ということです。
もちろん仏教に限らずですが、
役に立ちそうなことを知れば、いいことを聞けば、
まずはやってみる、ということが
人生においては大事なのではないでしょうか。