おはようございます。
今日は、前回紹介した「七仏通誡偈」に関連する
はなしをしてみたいとおもいます。
中国の唐の時代に、白居易(はくきょい)という詩人がいました。
彼は白楽天(はくらくてん)とも呼ばれ、当時の中国では
知らない者はいないほど、有名な詩人でした。
当時の中国では、インドから入ってきた
仏教というものが庶民の間で流行っていたそうです。
白楽天は、その仏教というものは何だと気になり、
「仏教とはいったいどんなものか」を聞こうと、
中国で有名な禅僧のもとをはるばる訪ね、
「(わしは忙しいので、)仏教をひとことで教えてくれ。」
と尋ねました。
するとその禅僧は、
「悪いことをせず、善いことをしなさい。ということだ。」
と答えました。
遠方はるばるやってきた白楽天は
禅僧の簡単な答えに怒って、
「そんなこと、3歳の子どもでも知っている。」
と吐き捨て、帰ろうとすると、禅僧はこう言いました。
「3歳の子どもでも知っているが、80歳になった老人でもそれを行うことは難しい。」
それを聞いた白楽天は、この禅僧に師事し、
出家したと言われています。