おはようございます。
いつもブログ「お坊さんの1分説法」をお読みいただき
本当にありがとうございます。
お盆が終わりましたね。
ご先祖を迎えられ、ご供養をされた方も
多いかと思います。
今日は、ことばでは少し難しいのですが、
「往相回向(おうそうえこう)」と
「還相回向(げんそうえこう)」の話を
少しさせていただきます。
回向(えこう)とは、
よい行いを他に振り向けることをいいます。
たとえば、私の所属する浄土宗では
最上の行いである、お念仏をし、
得られた功徳(くどく)(=ご利益)を、
亡き先祖の供養の為に振り向ける
といった感じです。
この功徳には、
こちらから(ご先祖の方に)差し上げる回向と、
(ご先祖の方から)私たちに還ってくる回向があります。
それを、往相回向と還相回向というのです。
実は、お盆の最中、私のお世話になっているお寺の
奥様がお亡くなりになりました。
もちろん、そのお寺もお盆の年中行事があったので、
お盆が終わってから、お通夜、お葬式が行われました。
私も参列させていただき、お念仏をお唱えし、
その方に回向をさせていただきました。
今の話では、これが往相回向です。
みなさんが、お仏壇やお墓で、ご先祖を思い、
お手を合わせるのと同じです。
そして、お念仏をした私には、
その方が生前、何事にも一生懸命で、
周りへの気配りを絶やさず、
走り回っておられた姿が目に浮かびます。
私も、何事にも全力でがんばらなければいけないなと
いう気持ちになります。
この残った気持ちが、還相回向。
みなさんがお手を合わせた後、
ご先祖のこういうところを見習おうと感じたり、
笑顔を思い出して、いい気分になったり、
こちらに残る気持ち。
これが、(ご先祖から)私たちに還していただける
「還相回向」というものです。
仏さま、ご先祖さまとのキャッチボールのように
感じていただけたらいいかと思います。